リスク・リバーサルとは、満期日(テナー)、想定元本、デルタを同じOTM(アウト・オブ・ザ・マネー)として、プットの売りとコールの買いを組み合わせたものです。テナー(tenor)は、期間・満期日という意味で、リスク・リバーサルはRRと表示されます。理論上は、コール(買う権利)とプット(売る権利)のプレミアムは一致するはずですが、市場実勢により歪みが生じます。その歪みの数字がリスク・リバーサル(RR)であり、その数値が参加者の市場センチメントや感情を示す指標として利用されます。
1. リスク・リバーサルのロング(OTMプットの売りとOTMコールの買いを組み合わせたもの)
2. リスク・リバーサルのショート(OTMプットの買いとOTMコールの売りを組み合わせたもの)
リスク認識を示す指標としてはデルタ=25%に標準化したリスクリバーサルを利用します。25 デルタ・コールとは、OTM(アウト・オブ・ザ・マネー:権利行使価格が現在価格より上に位置する)のコールオプションのことで、原資産が 1 上昇した場合、コールオプションの価値は 0.25 上昇します(パーセンテージではなく単位です)。プットはその逆です。
デルタとは、原資産価格に対するオプションの価値の一次デリバティブのことで、デルタヘッジ戦略というのはこのデルタを一定に保ちながら利益を追求する戦略です。インプライド・ボラティリティ(IV)とは、将来の推定ボラティリティのことで、通常ブラック・ショールズ・モデルを用いて計算されます。オプションは原資産の価格、権利行使価格、ボラティリティ、金利、時間の5つのパラメータに依存しますが、オプションの価格(市場)が手元にあれば「二分法」という方法でオプションのインプライド・ボラティリティを求めることが可能です。
関係式は以下のようになります。※1Mは1ヶ月という意味
RR(25デルタ1M)=IV(25デルタコール1M)-IV(25デルタプット1M)
RR25がマイナスのときはプットの価格がコールよりも高いことを意味し、マーケットが1ヶ月後の原資産に対して弱気であることを示しています。通常、参加者が注目するのは「RR 25 Delta 1 Month」です。
ここを参考にしました。
Introducing the Risk Reversal – Rothko Research Ltd.
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