2005年〜2006年に話題となった村上世彰氏の著作。村上ファンド事件(インサイダー取引で逮捕)が有名だが、そもそも彼の考えを私達は理解できていたのか。あれは「企業慣習」に対する挑戦だった。
生涯投資家トレーダーの観点から。村上世彰氏の投資哲学である「上がり始めたら買え、下がり始めたら売れ」はまさにその通りで、素直に見習いたい。また、いわゆる村上ファンドの収益源泉は会社構造の非効率化である。有能な経営者であれば、株価はもっと上がっているはずだがそうはなっていない。つまり、経営者の姿勢としてのことなかれ主義、既得権益、お金の貯め込み過ぎが株価低迷の原因である。主権を握り、そこを是正することで収益を獲得するというモデルである。
儲け過ぎたから疎まれたという面はあるかもしれないが、この収益モデルがそもそも劇場型で、世間を巻き込んでこその効果がある。だからこそインサイダー取引には十分に注意をしなければならなかったが、アクティビストが日本において初登場だったこともありアレルギー反応が起こってしまったことと、世間から賛同を得られなかったことが不運であった。(そして、今も恐らく世間から賛同は得られない。)
- 企業経営のいびつさに目をつけたファンド=社会構造の変化が日本経済によい効果を生む。
- 投資対象とみるうえでの期待値重視の分析。
- キーパーソンとの出会いとアライアンス(オリックス宮内氏、ライブドア堀江氏、サイバーエージェントの藤田氏など)
- 投資の信念と日本経済との接点を見出す。
- 資金循環が重要である。
給与上昇を促すファンドとかであれば社員の賛同を得られてよかったかもですね。いわゆる下克上ファンドです。経営者は欧米と比べて給与は低いですが、それでも一般社員と比べてまだまだ高いですからね。
生涯投資家
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