システムトレードの基本的な考え方は、リターンを説明するモデルを構築するのと同じことです。いわば、ファクターモデルのうちの特殊型と言ってもよいでしょう。通常の意味でのファクターモデルは、あらゆる経済的な外生変数やファンダメンタルズ指標を用いますが、システムトレードの場合は価格や出来高などの瞬間的に取得できるデータを使用することがほとんどです。システムトレードがその他のファクターモデルより優位に立てる点は、データ取得に対する即時反応性が挙げられることでしょう。
さて、このファクター選択ですが、出来る限りシンプル化し、そして強力にリターンを説明できるものでなくてはいけません。
なぜ、シンプル化する必要があるのでしょうか?それは、説明する変数が多いと統計学でいうところの自由度が増えてしまい、結局はモデルの予測度が低下することにつながるからです。いわゆるカーブフィッティングですね。ですから、説明するべき変数は少なければ少ないほどいいですし、信頼度の高いシングルファクターモデルであればいうことナシなのです。しかしながら、現実の世界では一つの説明変数で物事を説明できるほど単純ではありませんので、せいぜい2~4つくらいの説明変数を使ったモデルに落ち着きます。ダウの上下だけで儲け続けられるほど甘くありません。
システムトレードのアートとなる部分、それはどの変数(インディケーター)を用いるか、です。システム開発者としての資質が問われることとなるのはこの部分です。
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