HFTの手口1

HFTには様々なストラテジーが存在しますが、そのうちの一つを紹介したいと思います。実際にやったことがあるかもしれない、なんてことのない手法ですが、これを高速でやっているというところがすごいのです。

まず、ある株式銘柄を仮定しましょう。大体の板には100~500株ほどで、多くても1000株くらいの板で通常売買されているものだとします。そこに、30000株の買い注文が存在するとしましょう。HFTはその板にある30000株を認識し、その一歩手前の買い注文(1Tick上の)を出します。約定すれば、今度は値段が少しでも上がれば2、3Tickで利食いをします。もし、値段が割れてしまえば30000株の板で損切りをします。

 

200

300

100

30000

 

なんともまあ単純であり、確実に儲けられるというものでもないのですが、恐らくはある程度の超過収益を得ることはできるかもしれないという考えのもとに、似たような状況をサーチして何回も売買を繰り返します。これらは全て公開情報を使っていますのでインサイダー及びフロントランニングに当てはまりません。

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3 件のコメント

  • 初めてメールします

    よくfxの本とかを見ますと損切りだ大事だと書いてあるのをよく目にします
    ファンドトレーダーの方もHFT、同様
    損切りはよくするものなのでしょうか?

    失礼します

  • zakkiyyy様

    コメントありがとうございます。結論から言うと、損切りは常に行います。高頻度売買(HFT)とポジショントレーディングに分けて説明します。

    【高頻度売買(HFT)】
    当然、戦略の違いもあるとは思いますが、一般的なHFTのヘッジファンドやプロップファームは利益取引、損失取引といった区別はせずに機会とコストのみを考慮して売買を繰り返します。損をしているから損切りをするといったロジックではなく、ポジションを落とした時に結果としてその取引が損切りだったのか、利食いだったのかと後から判断します。

    【ポジショントレーディング】
    個人トレーダーと同様です。100%勝つことはないと経験的に理解していますので、自分が間違っていると判断した場合は損切りをします。

  • システムおぢさん様

    返信ありがとうございます!

    >損失取引といった区別はせずに機会とコストのみを考慮して売買を繰り返します。

    個人的に、非常に為になる一文でした。

    有難うございました!

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