先物市場で取引されるものは標準品です。あらかじめ制度により決められたものを基準として売買を行います。余談ですが、最も標準品不適格なものは国債先物取引((額面100円、利率 年6パーセント、償還期限10年)だというのは業界内では有名な話です。
さて話を戻して、標準品を売買しているが故の感覚的な相違が発生することをここで明らかにしてみます。仕組みさえ理解していればたいしたことではありませんので肩の力を抜いてお読み下さい。
スーパーでの買い物を考えてみましょう。賞味期限が過ぎそうなお菓子は新しいものと比べて売れ残る可能性が高くなりますので、安く売られます。弁当などは、閉店間際に行けば20%OFFなどのシールが貼られてあり安く買えるわけです。
品質が劣化すれば安くなる。
しかし、先物市場はそういうわけにはいきません。例えば、コーンを考えてみましょう。どこかにある倉庫のコーンが全て虫に食われていたという報道があった場合、値段は上がります。全世界のコーン全てが劣化した場合でも値段は上がるでしょうね。というのも、受け渡しが標準品で定められているので、契約上のコーンの品質は保証されているからです。
品質が劣化すれば高くなる。
つまり、先物契約は品質保証がされているので、品質の上下動は現物と先物とで逆の値動きを見せるが、在庫の上下動は現物と先物とで同じ動きを見せるということになるのです。
当然の話なのですが、自然な感覚として現物と先物での相違があるということは理解しておいても損はありません。
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