国内CFD vs 海外CFD:各業者の違いを具体例で比較

CFD取引を始める際、多くのトレーダーが国内CFD業者と海外CFD業者のどちらを選ぶべきか迷います。この2つには明確な違いがあり、各トレーダーのニーズや目的に応じた選択が求められます。


1. レバレッジの違い

国内CFD業者の特徴

国内CFD業者では、金融庁の規制により、最大レバレッジは個人投資家向けに10倍程度に制限されています。これは、投資家保護の観点からリスクを抑えるための措置です。

  • 具体例:
    • 100万円の証拠金を預けた場合、最大1,000万円分の取引が可能。

海外CFD業者の特徴

海外CFD業者は、日本の金融庁の規制を受けないため、100倍から1,000倍以上のレバレッジを提供することが一般的です。暗号資産CFDもこれに含まれます。少ない資金で大きな利益を狙うことが可能ですが、その分リスクも高くなります。レバレッジが違うことにより、取るべき戦略が異なってきます。

  • 具体例:
    • 100万円の証拠金で、1億円以上の取引が可能。

メリットとデメリット

  • 国内CFD: 安全性が高いが、大きな利益を狙いにくい。
  • 海外CFD: 高いレバレッジで利益を狙いやすいが、資金を失うリスクが大きい。

2. 追証(追加証拠金)の有無

国内CFD業者の特徴

国内CFD業者では、相場が急変した場合、口座残高がマイナスになる可能性があり、業界用語で「赤残」と呼ばれています。投資家は不足分を補填する追証(追加証拠金)を支払う必要があります。投資家に対する債務となり、追証を回収する専業の人も各証券会社にいます。ちょっとだけ怖いですね。

  • 具体例:
    • 突発的な円高で損失が証拠金を上回り、追証10万円を請求される。

海外CFD業者の特徴

多くの海外CFD業者は「ゼロカットシステム」を採用しており、口座残高がマイナスになった場合でも、追証を請求されることはありません。損失は預けた資金の範囲内で限定されます。この点は投資家にとって非常に有利です。マイナスになっても払う義務がないので。非常に合理的なシステムで、海外CFD業者は、国境をまたいでの取り立てに関して、コストとの見合いでペイできるとは限りません。そのため、それを逆手に取ってサービスとして提供しています。

  • 具体例:
    • 同様の円高で損失が発生しても、口座残高がゼロで終了。

メリットとデメリット

  • 国内CFD: 追証のリスクがあるため、大きな損失に注意が必要。
  • 海外CFD: 損失は限定されるが、取引環境が変動するリスクがある。

3. 取引コストの違い(スプレッドと手数料)

国内CFD業者の特徴

国内CFD業者は、スプレッドは業界標準であり、FXと違ってまだスプレッド競争には至っていません。

海外CFD業者の特徴

手数料無料の口座や取引条件に応じてスプレッドを変動させる場合があります。カバー取引先も豊富で厚いボリュームがバックに控えているため、海外CFD業者にとって無理なく収益体制を維持できます。また、高度な取引環境を提供することも特徴です。


4. ボーナスやプロモーションの違い

国内CFD業者の特徴

国内CFD業者は、金融庁の規制により、キャッシュバックキャンペーンや口座開設特典など、控えめなプロモーションが中心です。

  • 具体例:
    • 口座開設で現金5,000円プレゼント。

海外CFD業者の特徴

海外CFD業者は、初回入金ボーナスや取引ボーナスなど、大規模なプロモーションを提供しています。一部の業者では、100%入金ボーナスやノーリスクトレードも実施しています。

  • 具体例:
    • 10万円の入金に対して、ボーナス10万円が付与される。

メリットとデメリット

  • 国内CFD: 規制により透明性が高いが、魅力的な特典は少ない。
  • 海外CFD: ボーナスが充実しているが、条件の確認が必要。

5. 法的保護と信頼性の違い

国内CFD業者の特徴

国内CFD業者は、金融庁の監督下にあり、厳しい規制を遵守しています。信託保全制度により、万が一業者が破綻しても顧客資金は保護されます。

  • 具体例:
    • 国内業者が破綻しても、信託口座から資金が返還される。

海外CFD業者の特徴

海外CFD業者は、各国の規制に基づいて運営されていますが、日本の金融庁の保護を受けません。信託保全や保険制度を持つ業者もありますが、その適用範囲は業者によります。

  • 具体例:
    • 信託保全がない業者では、破綻時に資金が返還されないリスクがある。

メリットとデメリット

  • 国内CFD: 高い信頼性と資金保護。
  • 海外CFD: 多様な選択肢があるが、業者選びが重要。

税金に関する違い(CFDの場合)

国内CFD業者の税金メリット

国内CFD業者での取引利益は、先物取引に係る雑所得等として申告分離課税の対象となります。この税制はFXと同様に適用され、税率は一律20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)です。

  • メリット:
    • 所得が高い場合でも税率が固定のため、高額所得者にとって有利。
    • 他の先物取引(例:株価指数先物や商品先物)と損益通算が可能。
    • 3年間の損失繰越が認められる。
    • CFDはFXと同様、日経平均や原油などの指数や商品への投資が可能で、これらの取引利益も分離課税対象となる。

海外CFD業者の税金の特徴

海外CFD業者での取引利益は、雑所得として総合課税の対象になります。この場合、所得額に応じて5%から45%までの累進税率が適用されます。

  • デメリット:
    • 所得が増えるほど税率が高くなるため、高額所得者に不利。
    • 他の損失と通算できない(損失繰越も不可)。
    • 税務上、海外業者での取引は個別に管理する必要があり、確定申告が煩雑になる場合がある。

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