ヘッジファンドの構造的な問題点(稼ぐ力)

ヘッジファンドのビジネスモデルは、顧客の資金を預かってその資金を運用するという形式になることから、少なくともある種の利益相反が生まれます。その代表的なものが、投資家とトレーダーで報酬が対称ではないという事実です。顧客資産を使って儲けた場合、成功報酬がトレーダーの懐に入ります。一方、損をした場合は投資家の資金が減少しますが、トレーダーは損をしません。当然、クビになることはあると思いますがクビになったとしても収入がゼロとなるだけであって、マイナスにはならないのです。このような構造的な問題点があることから、いわゆる丁半博打によって大きく勝負したほうが有利であるという状況になりやすいのです。

過去、ブライアン・ハンターというトレーダーが大損をしたときは、改めてこの構造的な問題点が浮き彫りとなりました。ちなみに、不正行為で失敗しない限り、トレーダーは復活出来る可能性があります。例え、トータル収益が大幅にマイナスであったとしても、稼いだ金額が評価されて別のファンドの要職であったりアドバイザーになったりとキャリア継続が可能であることも珍しくありません。

破壊王「Brian Hunter」の悪名は先物業界で後世に語り継がれるであろう

2005年、ヘッジファンド・トレーダーのベストランキング29位だったブライアン・ハンター氏(Brian Hunter)。推定年収は100億円前後で、当時は32歳という、若くもやり手のトレーダーで、恐らくは世界一の天然ガス先物のトレーダーだと言われていました。運用会社アマランス在籍時は、カナダ・カルガリ出身のハンターのためにカナダ・オフィスが創設され、そこで激しくトレーディングをやっていました。

↓↓↓

2006年、ブライアン・ハンターの失敗により、$6.6 billionの巨額損失が発生。運用資産$9 billionのアマランスは破綻しました。

↓↓↓

2008年、ヘッジファンドのアドバイザーとして一つのヘッジファンドを補佐し、他のヘッジファンド全体の運用パフォーマンスは非常に厳しい状況の中、そのファンドは第一四半期で約49%の運用パフォーマンスを上げました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUTこの記事をかいた人

当サイトは、システムトレードに関する専門的な知識、技術、経験を皆様と共有することで、真剣なトレーダーの方々にインスピレーション(アイデアの源泉)の供給をいたします。トレーダーの競争力強化に焦点をあて、トレーディングシステムの構築を目的としてその普及に貢献します。 詳細は「概要とサービス内容」をご覧下さい。 ご要望はこちらで承ります。