エマージング・マーケット担当のファンドマネジャーの中には、新興国の一つをあたかも株式銘柄の一つと見なしてトップダウンの分析を行い、幅広く投資を行うという方法を取っている方がいるようです。発想の転換と言えばそれまでですが、いかにプロといえども国境を隔てた詳細情報を手元に揃えるのは難しいということでしょう。(素人には入手困難な情報であるからこそ努力してもらいたいものですが・・)
エマージング・マーケットの魅力は成長力です。リーマンショック後の底堅さを支えたのは新興国の成長であったとの見方は強いです。現在はその成長力に息切れ感が見られますが、それでも深く分析することによって成長力を見出すことは、トレジャーハンターならぬアナリスト冥利に尽きるというところではないでしょうか。
しかし、リスクは考えているよりも大きいものです。新興国の殆どがローカル通貨を採用していることから、財政・貿易のリスクを負った場合には急激に減価します。例えば、ジンバブエはむしろエマージング・マーケットではなくフロンティア・マーケットと呼べるのかもしれませんが、年間10万%超のインフレが起こり、1000万ジンバブエ・ドル紙幣なんてものもあるそうです。このレベルだと利回りが800%だとしても大損です。
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