先物取引のメリットは高い流動性にあります。その流動性を担保する性質とは、最終決済時に清算されるSQに裏付けられた原資産に対する紐付けではないかと考えられます。紐付けが存在するからこそ、安心して売買を行うことが可能であり、仮に一時的に理論価格を上下することがあっても、第三者の裁定が働くことで理論価格へと収束するというのが先物取引のコンセプトとなっています。
SQがない場合には恐ろしい結果が待っています。売買動向のみに左右されることから投機性が増し、理論価格を無視してどんな値を付けることもあり得るのです。しかし、そのようなことは証券である限り通常ありえないのが通説です。そもそもが証券化の定義に反しますので。
デメリットは、メリットの裏返しでもあります。SQの紐付けがあるためにその最終決済毎の契約が存在することになります。つまり、過去10年のデータを検証するのに、満期を迎える契約が複数あるため、それらをつなぐ加工を施さなくてはいけません。
例えば日経平均先物であれば4半期毎としても、(4半期×10年)で40個もあり、それぞれ別々の契約なのですが、データをつないで検証するという方法しか残されていないのです。
先物取引になじみのない人が違和感を覚えるのは、その契約を切り替えるタイミングが難しいというところもあるのでしょう。実際、銘柄毎の特徴もあり、契約切り替えのタイミング(限月交代)のロールオーバーはプロであっても曖昧に分析しているところが多いものです。
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