Black-Littermanのグローバル・アセット・アロケーションからヒントを得て、トレーディングシステム(ストラテジー)に対してどのような資金配分を行うべきか簡単なモデルを構築します。まず投資対象である銘柄を選出します。以下は架空銘柄の30日平均出来高とどれくらいの金額が取引されているかを表にしてみたものです。
銘柄 | 出来高(枚) | 一枚当り取引額(円) | 総額 | 比率 |
商品A | 77032 | 3,057,000 | 2,355億円 | 50% |
商品B | 33555 | 2,915,500 | 978億円 | 21% |
商品C | 19089 | 3,460,000 | 660億円 | 14% |
商品D | 13847 | 1,426,500 | 198億円 | 4% |
商品E | 22966 | 804,500 | 185億円 | 4% |
商品F | 9585 | 3,637,000 | 349億円 | 7% |
もし、市場ウェイトでインデックス運用する場合、以上の割合で投資することが考えられます。商品Aは半分を占めています。
さて、この割合でトレードすることはあまり感心しません。というのは、各商品の日中の値動きを考慮に入れていないからです。トレーダーのトレーディング・スタイルによりますが、例としてデイトレードを考えてみましょう。使いたいのは日中の値幅(レンジ)です。翌日持ち越すトレーダーはTrue Range:トゥルーレンジ(真の値幅)を使うのもよいでしょうね。
銘柄 | 平均レンジ(円) | 値幅金額(×倍率) |
商品A | 6 | 6,222円 |
商品B | 11 | 5,716円 |
商品C | 209 | 10,458円 |
商品D | 1 | 5,192円 |
商品E | 177 | 1,765円 |
商品F | 65 | 6,507円 |
手数料も考慮しないといけませんのでこの値幅金額が大きければ多いほど、利益を得られるチャンスが大きいと言えます。資金効率が良いということを意味します。
さて、更に深く考えてみましょう。この比率のみを使ってトレードを行うのもよくありません。なぜよくないのかというと、手数料ももちろんですが市場の厚みが考慮されていないからです。値動きはあるが取引量が全然ないものに多くの資金を配分するのは好ましくありません。なので、市場の厚みを簡便法でもいいので算出します。
銘柄 | 取引量 | 値動き | 2:8 |
商品A | 50% | 17% | 24% |
商品B | 21% | 16% | 17% |
商品C | 14% | 29% | 26% |
商品D | 4% | 14% | 12% |
商品E | 4% | 5% | 5% |
商品F | 7% | 18% | 16% |
以上をまとめて、取引量を基にしてパッシブ運用を行う比率(市場ウェイト考慮)と、値動きを基にアクティブ運用を行う比率(値幅ウェイト)を算出しました。ここから適当にアクティブ運用のウェイトを考慮して(この場合は8割)、適切な比率を出したのが赤字の数値です。
取引してもよさそうな、妥当な比率に落ち着きました。この比率を基準として、そのアセットアロケーションの中から更にストラテジー別に分散するという方法です。トレーディングシステムのポートフォリオ構成比率の算出にはこのような方法もあります。
※盛り上げていきたいと思っていますので、よろしければお気軽にコメント下さい!
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