システムフィルタと将来予測に関する考察

バックテストの損益曲線の滑らかさを追求していくことは果たして正解なのでしょうか?トレーダーの目的は資産残高を増やすことです。別に何を使ってもいいですから資産が増えればいいわけで、極端な話、トレーディングシステムがどうだこうだというのはほんの些細な話です。つまり、バックテスト結果を見栄えよくする必要はないということです。
私の場合は資産残高を増やすツールとして、トレーディングシステムが一番安全かつ資産を増やすのに最適だという考えのもとでシステムを開発しています。色々フィルタなりシグナルを追加して損益曲線を慣らしていきますが、実はそんなに綺麗な曲線でなくてもある程度の曲線が長期に継続するのであればすぐに金持ちになれると思います。年20%~40%回せば、10年で幾らになるでしょう?計算してみて下さい。
さて、今日のお話はフィルタについてです。

システムにフィルタを用いることによって取引数を制限できます。フィルタには有利な点、不利な点があり、表裏一体(トレードオフ)の関係にあることがわかります。両方の特性を理解し、効果的に使いましょう。

有利な点
・無駄な取引を減らせる
無駄な取引とは儲かる可能性の低い取引のことをいいます。無駄な取引をなくすことはブローカーに払っている手数料の節約にもなりますし、取引に費やす時間も節約できます。

不利な点
・信頼性がなくなる
取引数が少なければ少ないほど信頼性が薄くなる、すなわちシステム自体の堅牢性を損なってしまう。=過去において都合の良い取引だけを選択してしまう。

以前、ブログに書いた内容を掲載しました。フィルタを用いることで、めちゃくちゃに最適化をしないよう気をつけるのは当然のことなのですが、ある変数を加えることによって損益曲線がかなりよくなってしまう場合は、その変数を無条件で取り入れてしまうという誘惑が生まれます。その誘惑が正解かどうかというのが最適化の問題のうちの一つです。これにははっきりとした正解がありません。
あるシステムにフィルタを施したと仮定します。
・あるシステムのフィルタなし   500回トレード
・あるシステムのフィルタあり   350回トレード
つまり、150回分のトレードを除去したわけですが、この除去された150回分のトレードについて将来を観測すると、結果的に良いトレードを行って、フィルタなんて結局はつけない方がよかったという話になるかもしれません。当然のことですが、過去が良かったからといって、将来も同じく機能するとは限らないものなのです。逆に、過去が悪かったからといって将来は儲からない、ということも言えないのです。
例えば、ある銘柄で金曜日のIRブレイクアウトは過去ずっとダメでほとんどのブレイクアウトシステムにフィルタがかかっているのですが、少なくとも2008年は金曜日のIRブレイクアウトは儲かっていたと記憶しています。
つまり、過去シミュレーションだけではダメだということなのでしょうね。過去に起こったパターンが繰り返されるのが多いということは事実だと思いますし、だからこそシステムトレーダーとして利益を追求しているのでしょうけども、バックテスト結果のみを暗黙的に信じるのは破滅へとつながるというのもまた事実だと思います。バックテスト結果よりも将来の動きを常に追い求める能力を磨くのもシステムトレーダーには必須のスキルです。

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