トレーディングシステムとフィルタの投入

日足で見るとすごく綺麗なトレンドを描いていても日中に低ボラティリティであれば、デイトレーダーにとってはよくない相場です。日中は低ボラティリティ&日足でトレンドがあるという相場は強気相場であることが多いです。じわじわ上がる時は値動きが緩いんですね。一方、激しく動く時は弱気相場であることが多いです。これが、VIX先物(ボラティリティ・インデックス)が株価と逆相関である原因です。

話を戻して、低ボラティリティ時にデイトレーダーは儲けられないという話をしましたが、これは手数料という固定コストの割合が値幅に対して高まるわけで、このようなときはあまり参戦したくないものです。

そこで、オリジナルのTOPIXシステムを題材に、レンジが縮小すれば取引をしないという自己開発の「拡大レンジフィルタ」というロジックを加えて、システムの成績がよくなるということを示してみます。

「拡大レンジフィルタ」
「10本レンジ平均」の6本前が「10本レンジ平均」より大きい場合に取引を行う。
その「10本レンジ平均」は1.2ポイントより大きいこと

ここで、典型的なブレイクアウトシステムのシステムを紹介します。

————–ルール——————————————–
エントリー:後場15分間のレンジ±ある一定の値幅でストップオーダー

エグジット:損切りはストップオーダーから10ポイント逆方向
損切りがつかなかった場合は大引けで手仕舞い
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<サマリー>
ドローダウン 104万円
純利益 1,280万円
取引数 1,873
勝率 42.55%
手数料&スリッページ 1000円
平均損益6万2000円

ご覧の通り、ある期間から全く勝てないシステムになっています。日中のボラティリティが低下したというのも一因ですが、第一の原因はマーケットの成熟化が考えられます。個人投資家の急増やオンライン取引の進歩で、簡単に儲けられた手法が通用しなくなったと言えます。既に米国ではこの取引方法は通用しません。しかし、まだ成熟化していないマーケットであれば、利益をあげることはできるかもしれません。このシステムを勝つシステムにするためにはスパイス(ウイニング・エッジ)が必要ですが、それが「拡大レンジフィルタ」とみなして比較してみます。


純利益  1125万円

総利益  2880万円
総損失 -1755万円

取引数 1,029
勝率 42.66%
勝数 439
負数 590

最大勝  49.4万円
最大負 -10.1万円
平均利益  65,617円
平均損失 -29,754円
損益レシオ 2.21
平均損益  10,934円

連勝数7
連敗数11

最大ドローダウン -38.5万円
プロフィット・ファクター 1.64
手数料&スリッページ1,000円

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