お得感と行動

ビジネスを展開するにあたり、「お得感」というのは大変重要です。双方にお得感があればそれをつなげる。英語で言うとWin-Winの関係ともいうでしょうか。日本では「お得感」のほうがじいちゃん ばあちゃんでも理解できます。

お得感があるからモノを買う。お得感があるからイベントに参加する。人間はそのような行動を取ります。ただ問題は、本質的な価値と同じもしくはそれ以下で、決して取引をしてはいけないということです。つまりは100円で仕入れたものを100円で売ったら、買う人はお得感で満ち溢れます。しかし、売ったほうは何も得をしませんし、いずれこの取引はなくなります。

そうではなく、100円で仕入れたものを120円で売っても、なお買う人がお得感を持ってもらうよう工夫が必要なのです。いわゆる付加価値といって、商売人はその付加価値を出来る限り高めることが大事で、それこそがその商売人の存在意義です。場所を変えてみる、パッケージを変えてみる、売り方を変えてみる、何らかの方法は必ずあるはずです。

価格競争をしているだけでは勝ち目はありません。そもそも商売人が価格を安くしようとしている時点でいわば白旗状態であり、価格操作は最後の砦です。市場実勢を見ながら適正な価格に調整するのは構いませんが、価格だけで勝負するのは間違っているということです。

さて、トレーディングの話に移ります。トレーダーや投資家がモノを買う、売るという状況は「お得感」に影響されます。割安、割高という言葉にあてはまりますね。しかしながら本当の価値はどこにあるのか、その「お得感」が収束するのか継続するのか、そのような判断を磨くことこそが大事だと思われます。行動経済学がここに生きてくるわけですね。

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