自信を持ってトレードを行うというのはシステムトレーダーにとって大事な要素です。システムを開発しそれらのシステムを運用していくにあたり、自信がないと今後訪れるであろう最大のドローダウンに耐え切ることも出来ません。
例えば、システムを作成するときに少しでも妥協案を見つけてしまった場合、データの細部を検証するのが面倒で徹底的に調査していない場合、スリッページ&コストを実際よりも小さく見積もりパフォーマンスの見栄えをよくさせてしまった場合など、間違ったプロセスで作られたシステムをリアルで運用するという段階になると、自分のシステムを信用していないことでちょっとした裁量トレードを入れてしまいがちになります。
自分の裁量トレーダーとしての才覚はシステムよりも上であるという深層心理が、裁量トレードを入れてしまう理由となるのですが、このトレーダーが成功するかどうかというのを二つのパターンでみてみましょう。
まず、裁量トレーダーとしての資質がある場合、システムのルールから逸脱した行動によってシステムをアウトパフォームすることができますので結果的に成功します。このようなトレーダーは何も自作システムを使うまでもなく、自分が信頼できるテクニカルインディケーター、RSIや移動平均線やピボットポイントを見ることでそれなりのトレードを上手くこなせます。
次に、裁量トレーダーとしての資質がない場合、システムルールから外れたトレーディングを行うことで成功を手にするということはまず考えられません。例えば、指定されているストップ注文を1ティックずらしてみたり、発注の時間を1分だけずらしてみたり、投資資金を少しだけ増やしたり減らしたりというような小さな範囲でのルール変更くらいは許されるのかもしれませんが、極端な例になると、損失が重なったので次の日に持ち越したり、ロスカットを置かなかったり、勝手に利食いしたりと、もはやシステムトレードとは言えないレベルまでトレーディングスタイルが崩れることもあります。こうなれば、自信を持ってポジションを持つことすらできなくなります。
システムトレーダーにとって自信あるトレードとは何なのかと自問自答した場合、それは徹底的に検証され、より現実的なコストを照らし合わせ、厳格にルールを設定した妥協のないシステムを作成し執行することに帰結します。つまりは、過去データで統計学的に自分の行動を分析し、自分の行動は正しいのだという裏付けを持つことが自信あるトレードを生むことにつながるというわけです。
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