いずれ日本でもSmart Order Routingのサービスが普及されてくると思われます。Smart Order Routingとは、具体的には、ブローカーを通して、最も有利な執行条件で約定させていく仕組みであり、注文執行する場所を自動的に選択していきます。※2014~2016年現在 既に最良執行方針にて策定されているところもあり。
現在、国内の株式や先物の発注は、ほとんどが単独かつ特定の取引所経由で執行されています。投資家は、仮にマーケットでアンフェアな取引が行われていたとしてもマーケットそのものがほぼ一つであることから、その条件を呑んで売買を行わなくてはいけませんでした。市場を提供するマーケット側の立場が強いのが現在の国内市場の特徴で、参加する側の投資家は改善要求をすることもかないませんでした。
しかし、欧米では私設取引市場と言われるPTSの台頭や他の取引所での競合商品の上場等で投資家のニーズを取り込むため、激しく競争しているのが一般的です。昨今の取引所合併のニュースや総合取引所構想等、取引所といえども競争にさらされており、これまでの殿様商売を継続できなくなってきています。
投資家側にとっては執行コストが減るのでよいことなのですが、投資家側でSmart Order Routingのサービスを強く要求していかなければ新規参戦するPTS、新興取引所の競争力が低下していきます。例えて言うならば、ネットバンクの黎明期に見られた状況に近い部分もあるかもしれませんが、投資家には、ブランド名にこだわることなく総合的な判断が求められます。
Smart Order Routingを導入するブローカーは、ITシステム導入の費用対効果を考えます。Smart Order Routingのサービスは投資家にとって有利なサービスですから、ブローカーが導入を見送らないよう強くアピールしていきましょう。
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