【マーケット解説】欧州の株価堅調とインフレ指標

2021年6月2日(水曜)寄稿 ⇒本稿の賞味期限は6月3日 13:00までです。

■金融市場の最大の関心事は欧米のインフレ、諸国のテーパリング
■暗号資産業界の最大の関心事は中国の規制と米国の税制&規制

欧州市場に明るさが戻ってきた。上げ幅は1%未満だが、本格的な上げ相場の場合はじりじりと上げていくのが通常の動きとなる。英国FTSE100は前日比プラス0.82%、ドイツDAXは前日比プラス0.95%、フランス株価指数のCAC40が前日比プラス0.66%と順調だった。ドイツDAXは最高値を更新した。CAC40は2000年9月の史上最高値である6944.77に照準を合わせる。注目はインフレ指標に移っている。月曜はドイツの5月消費者物価指数は前年同月比2.4%増と2018年10月以来の高水準だったが、5月のユーロ圏消費者物価指数は前年同月比で2%上昇となり底堅い結果となった。

米国市場はほぼ前営業日と変わらず(月曜が休場だったため前週)、米国の10年債利回りは1.61%台に微増となった。5月のISM製造業PMIは61.2に上昇し製造業の活動がやや強まったことを示したが、株価に反映されなかった。為替の動きはポンドの下落が見られたが日次ベースで大勢に影響はなさそうである。ユーロ円はほぼ目立たず微増であったが、上昇トレンドが継続しており引き続き注目すべき銘柄となる。

ゴールドは修正が入り高値圏1,910ドル台から1,900ドル手前まで落ちた。NY原油は、石油輸出国機構とその同盟国・ロシアからなるOPEC+が供給量の増加を遅らせることで合意し、2018年6月以来の高水準となる68ドルまで上昇した。穀物はチャートで見る限りにおいて反発フェーズとなっており、特にコーンの戻りが著しい。インドの株価指数NIFTY 50は月曜に史上最高値を更新したが微修正となっている。

[ソース] Trading View  コーン日足

暗号資産市場は細かい変動を繰り返しながら日中ベースで徐々に勢いが弱まってきている。警戒感を強めるほどの下落は経験していないが、24時間比でマイナス3~4%と弱い。ビットコインの占有率を示すドミナンスレートは再び42%と落ち込んできた。

ドミナンスレートが落ち込むパターンは二通りがあり、一つは強気相場におけるアルトコインへの物色でドミナンスレートが下がるパターン、もう一つが調整局面で暗号資産の中で比較的安定しているビットコインに資金が戻るパターンである。今はアルトコインへの物色が旺盛ではないと判断でき、後者の「比較的安定しているビットコインに資金が戻るパターン」だと言えよう。暗号資産全体では時価総額が1.5兆ドル~1.6兆ドルに低下しており、米アマゾンやグーグルの時価総額とほぼ同程度となっている。

伝統的な金融市場での次のイベントは米国の雇用統計とされている。

【トレード妙味のある銘柄】
DAX、NIFTY 50
ユーロ円、ポンド円


【マーケット解説について知ってもらいたいこと】
・プロトレーダーに焦点を当てた市況の解説
・金融市場を俯瞰しての暗号資産のポジショニング

提供する内容はこの2点で、以下のポイントを考慮して下さい。
これは自分自身で考えないといけません。

①材料が一過性のものなのか
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当コンテンツの差異性:金融市場を俯瞰して暗号資産の市況解説をする
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※トレーダーは何をトレードしてもよいので、ホットかつ妙味のある商品を対象としてもよいし、暗号資産に妙味がなければ無視をしてもよい。

トレーダーとしての心構え

・「物事が起こってからの解説」は知るだけでよい。予測の力量はトレードの成績に直結しない
・「今、目の前で起きている」マーケットの動きは説明できない
・方向性がわからなくても儲けることは可能
・アナリスト/ストラテジストが「上がる」との説明に対して、戻りや調整局面の利用が可能
・初動は孤独であり、しかし大波には乗るべし

トレーダーは市場原理を知らなくても勝てる人は勝てる。トレードに直結しないマーケット解説や市場分析のみのレポートと当コンテンツとは趣旨が異なるはずですが、表面的には一般的な市況と変わらないのはやむなしと存じます。

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