4年程前、松井証券が行動ファイナンス研究用として顧客の売買データを一橋大学に提供するというニュースがありました。研究用といってもそれは仮の姿であり、確かに行動ファイナンスをベースにした全体の売買状況を調査することはあるかもしれませんが、ターゲットとされるのは大口投資家の売買データに間違いありません。
研究者も当然下心はあるわけで、証券会社側も自己売買で儲けたいわけですから、まさに学術研究という大義名分に隠された密約であるといえるでしょう。
勝っている投資家というのは、投資手法がある程度パターン化されています。取引銘柄、運用成績、売買時間がわかれば過去の株価データと照らし合わせてそのパターンを、完璧とは言わなくても模倣することは可能です。少なくとも何らかの「投資手法の有効性」が見えてくるはずで、複数投資家を分析できるわけですから手法も多様です。このように、目立つ取引はガラス張りでもありますので儲かっている投資家の方は注意しましょう。
2007年のニュース、2011年のブログ掲載から考えが改まりましたので、コメントを記載いたします。
当研究の目的は、やはり純粋な学術研究意欲からきたものであるのでしょう。大口投資家にフォーカスするというよりは複数投資家動向を探り、今後のサービスのアイデア源泉として活用したいと考えてのことでしょう。自己売買で儲けたいというよりは、もっと全体像を見て儲けたいという考えが証券会社にはあります。自己売買は、証券会社にとって小さな割の合わないビジネスです。
更に2018/1/26追記
レピュテーションリスク(悪評が高まることでブランド価値が落ちる)を考えた場合、やっぱりこのような研究はするべきでないというところに達します。
売買データに興味があるということはトレーダーマインドがあるということです。証券会社はトレーダーマインドがないので、あくまで場所を提供しているだけのサービスプロバイダーとの位置づけです。