機関投資家を欺くということ

機関投資家の心理を説明します。彼らは絶対収益が目的ではありません。儲かるということは二の次になります。

いや、そんなことはないと否定する機関投資家サイドの人もいますが、心底そう思っている人はいません。儲かるということに甘いのです。これはどういうことかというと、神経をとがらせて一銭でも多く獲得する動機がないからです。無茶をして多く稼ぐよりは、投資行動についてロジカルに説明がつくほうがよい。そのように考えています。損をするか儲かるかは、その後なのです。

傍若無人に振る舞う敏腕トレーダーがいるとします。無理な行動をして稼いでいるうちはいいですが、無理な行動をして負けてくればやっぱりクビになります。クビとまでは行かなくても、こんな人には資金運用を任せられないと担当を外されます。儲かっているときも臨時で懐に多くの実入りがあるわけでなく、負ければひっぺ剥がされるゲームに果たしてどのように人は取り組むようになるでしょうか。

皆さんも感づいているとおり、投資行動に関しての説明責任が重要になるということになるのです。例えば、マーケットが全体によくないとき。ファンドマネジャー曰く、「日経平均やTOPIXの年リターンがマイナス10%のときなんかに、私どものポートフォリオはマイナス5%でインデックスをアウトパフォームしています。銘柄スクリーニングの際に、銘柄特有の利益成長率を調査し、入念にリサーチしているからです。売買タイミングについては、最先端の売買アルゴリズムを用いてマーケットインパクトが最小になるようVWAPを見ながら繰り返し発注をします。」マーケットが上がっているときは、インデックスに勝てなくても、まあプラスなので職は安泰です。

こんな業界慣行から、標準的な自称金融プロが量産されていきます。これは彼らファンドマネジャーが悪いということではないということも言っておきましょう。本当に仕方ないことなので、誰もがこの世界で生きるためにはそう振る舞います。そのような生存戦略が最適なのです。

さて、ファンドマネジャーが選別する銘柄もどこからでも説明できるような銘柄ばかりです。日経平均採用銘柄や時価総額ランキング上位の銘柄なんて当然持っているはずです。累積赤字・債務超過なんてもってのほかです。

個人投資家やヘッジファンドは考え方が根本的に違いますよね。儲かればいいのです。インデックスなんてただの参考です。(元々、インデックスはただの指標ですが・・)逆に言うと、あとから機関投資家が買うであろう銘柄に先に乗っていればいいだけです。そうなると候補は限られてきます。若い銘柄、売上は伸びていたほうがいい・・ですが赤字の銘柄、指数に採用されていない銘柄、ESG(環境・社会・ガバナンス)に少し疎い銘柄です。テーマ株で盛り上がった銘柄も実はいいです。というのも、高すぎる銘柄というのも機関投資家はバリュエーションを理由に適正価格から説明できない銘柄を買えないからです。バリュエーションはあとから追いついてくるので結局買うことになるのですが。

このような観点で銘柄選びをするのも面白いですね。機関投資家の援護射撃を待ち、そして利益が乗ればずっと持ち続けましょう。

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