MetaTrader 5 (MT5) で自動売買システムを構築する際、OnTick()
関数は最も重要な部分の1つです。しかし、実装がうまくいかないと、余計なエラーやトレードの失敗を招きかねません。本記事では、OnTick()
を正しく活用するための注意点を簡潔に解説します!
1. 無駄な計算を避ける
OnTick()
はティック(価格変動)ごとに呼び出されるため、実行頻度が非常に高いです。そのため、大量の計算やループを入れるとEAが重くなり、サーバー負荷や遅延の原因になります。必要最低限の処理に絞りましょう。
2. 条件判定をしっかり行う
不必要な注文を防ぐため、ポジション状況や市場の状態を常に確認してください。例えば、現在のポジションがない場合のみ新しい注文を出すようにします。
3. スプレッドやスリッページを確認
急激な価格変動時にスプレッドが拡大することがあります。取引を実行する前に、スプレッドが許容範囲内であることを確認しましょう。
if (MarketInfo(Symbol(), MODE_SPREAD) > 30) // スプレッドが広すぎる場合
{
Print("Spread too high. Skipping trade.");
return;
}
4. エラーハンドリングを忘れない
注文が失敗する可能性は常にあります。注文失敗時のエラーを記録して、次回の改善に役立てましょう。
5. 過去データの再計算を防ぐ
ティックごとに全データを再計算するのは非効率です。prev_calculated
や現在のバーだけを処理するように設計しましょう。
6. デバッグ用のログを最適化
Print()
やComment()
はデバッグに便利ですが、多用するとログが肥大化します。必要な場合にのみ有効化するのが賢明です。
OnTick()
で注意すべきポイントは、「効率的に処理を行う」「エラーや異常に備える」「余計な負荷を避ける」ことです。これらを意識すれば、MT5でより安定した自動売買システムを構築できます。
OnTick()
を正しく活用して、トレードの成功率を上げていきましょう!