OnTickで失敗しない!プロが教えるMQL5のコツと注意点

MetaTrader 5 (MT5) で自動売買システムを構築する際、OnTick()関数は最も重要な部分の1つです。しかし、実装がうまくいかないと、余計なエラーやトレードの失敗を招きかねません。本記事では、OnTick()を正しく活用するための注意点を簡潔に解説します!


1. 無駄な計算を避ける

OnTick()はティック(価格変動)ごとに呼び出されるため、実行頻度が非常に高いです。そのため、大量の計算やループを入れるとEAが重くなり、サーバー負荷や遅延の原因になります。必要最低限の処理に絞りましょう。

// 必要なデータだけ計算する

double currentMA = iMA(NULL, 0, 14, 0, MODE_SMA, PRICE_CLOSE, 0);

2. 条件判定をしっかり行う

不必要な注文を防ぐため、ポジション状況や市場の状態を常に確認してください。例えば、現在のポジションがない場合のみ新しい注文を出すようにします。

if (PositionsTotal() == 0 && Close[0] > iMA(NULL, 0, 14, 0, MODE_SMA, PRICE_CLOSE, 0))
{
// 新規注文を実行
}

3. スプレッドやスリッページを確認

急激な価格変動時にスプレッドが拡大することがあります。取引を実行する前に、スプレッドが許容範囲内であることを確認しましょう。

if (MarketInfo(Symbol(), MODE_SPREAD) > 30) // スプレッドが広すぎる場合
{
Print("Spread too high. Skipping trade.");
return;
}

4. エラーハンドリングを忘れない

注文が失敗する可能性は常にあります。注文失敗時のエラーを記録して、次回の改善に役立てましょう。

if (!trade.Buy(0.1, Symbol(), Ask, 0, 0, NULL))
{
Print("Order failed. Error: ", GetLastError());
}

5. 過去データの再計算を防ぐ

ティックごとに全データを再計算するのは非効率です。prev_calculatedや現在のバーだけを処理するように設計しましょう。


6. デバッグ用のログを最適化

Print()Comment()はデバッグに便利ですが、多用するとログが肥大化します。必要な場合にのみ有効化するのが賢明です。


OnTick()で注意すべきポイントは、「効率的に処理を行う」「エラーや異常に備える」「余計な負荷を避ける」ことです。これらを意識すれば、MT5でより安定した自動売買システムを構築できます。

OnTick()を正しく活用して、トレードの成功率を上げていきましょう!

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