分散したつもりの複数ポジションでも、市場環境の変化で相関が高まれば実質的なリスクは集中します。名目ポジション量では見えない実効エクスポージャーを、相関とボラティリティから測定する方法を整理します。
銘柄数を増やしてもリスク分散とは限らない
複数市場へポジションを分けても、同じ要因に反応していれば実質的なリスクは集中します。特に金利、エネルギー、株価指数などの市場間相関は一定ではなく、マクロ環境によって大きく変化します。そのため、各ポジションの名目金額だけを合計してもポートフォリオ全体のリスクは把握できません。
重要なのは、保有している市場の数ではなく、値動きがどの程度同時化しているかです。
相関とボラティリティを同時に使う
実効エクスポージャーを測るには、各ポジションの大きさにボラティリティを掛け、さらに市場間の相関を組み込んで合算します。相関が低ければ一方の変動が他方を相殺する余地がありますが、相関が1へ近づけば複数ポジションが一つの大きなポジションに近い動きをします。
例えば30日や60日の固定相関だけでなく、短期と中期のローリング相関を並べると、直近で市場構造が変化しているかを確認できます。相関そのものに加え、各市場の実現ボラティリティも同時に上昇している場合は、合算リスクの増加がさらに大きくなります。
EAでは相関変化をリスクログに残す
実務では、各ポジションの名目エクスポージャー、実現ボラティリティ、ペアごとの相関係数を一定間隔で保存します。そこからポートフォリオ分散や各ポジションのリスク寄与を計算すれば、どの市場が合算リスクを押し上げているかを追跡できます。
バックテストでも全期間の平均相関だけを使わず、相関が低い期間、高い期間、急上昇した期間に分けてドローダウンを比較します。これにより、通常時には分散されて見える戦略群が、ストレス局面で同じリスク要因へ収束していないかを検証できます。






