MQL5を使用して天井圏での逆張りマーチンゲール戦略を自動化するEA(Expert Advisor)を解説します。このEAは、特定の価格範囲(RangePeriod
)を基準に天井圏で売り指値を発注し、価格が不利に動いた場合にはマーチンゲール手法を活用して損失を取り戻す構造を組み込むことが可能です。今回はシンプル化のため、売りのみを採用しています。もちろん、最終的には買い戦略も組み合わせたものを使用します。コードの詳細な解説とともに、この戦略の仕組みを深掘りしていきます。
1. EAの概要
- 過去の一定期間(
RangePeriod
)の高値と安値を基準に価格範囲を計算します。 - 現在価格がその範囲の上位10%(天井圏)に達した場合、売り指値を発注します。
- 損失が発生した場合、マーチンゲール戦略を用いてロットサイズを増加させ、損失を挽回するトレードを行います。
この戦略は、トレンドが反転する可能性が高い天井圏での逆張りを狙い、さらに損失時にはポジションサイズを増やすことでリカバリーを目指すのが特徴です。
2. コード解説
ヘッダー情報
著作権情報とリンクを記載しています。この部分を変更することで、自分のオリジナルコードであることを明示できます。
入力パラメータ
LotSize
: 初回トレードのロットサイズ。RangePeriod
: 過去の高値と安値を計算する期間。EntryPeriod
: エントリー価格を決める基準となるローソク足の本数。
このLotSize
をベースに、損失が発生した際にマーチンゲール(ロットサイズ倍増)を適用する仕組みを後述します。
価格範囲の計算
iHighest
/iLowest
: 過去RangePeriod
本の中で最も高い値と低い値を取得します。rangeThreshold
: 高値と安値の90%ライン(天井圏)を計算します。
指値の条件
- 条件: 現在価格が上位10%の範囲に達した場合、売り指値を発注します。これは、価格がトレンドのピークに達し、反転する可能性が高いシグナルと見なします。
エントリー価格とリスク管理
entryPrice
: エントリー価格は、過去EntryPeriod
本の高値に基づいて設定。takeProfit
/stopLoss
: 過去の平均レンジ(avgRange
)を基に利食いとロスカットを設定。これによりリスク管理を強化します。
マーチンゲールの実装
マーチンゲール戦略では、損失が発生した場合にロットを積み重ねて次回トレードに臨みます。このロジックを追加することで、損失回復を効率的に行います。
注文の送信
currentLot
: マーチンゲール適用後のロットサイズ。- 失敗時の出力: 注文が失敗した場合、エラーコードを出力してデバッグを容易にします。
有効期限の設定
指値注文の有効期限を本日の23:59:59に設定することで、翌日まで注文が残らないようにします。
3. このEAのメリット
- 天井圏での逆張り: トレンドのピークで反転を狙うため、高確率で利益を狙えます。
- マーチンゲール戦略: 損失が発生しても次回のトレードで取り返すチャンスを増加。
- 自動化: 戦略を自動化することで感情に左右されないトレードが可能に。
4. 注意点
- リスク管理: マーチンゲール戦略はロットサイズを倍増するため、リスクが大きくなる点に注意が必要です。
- スプレッドの影響: スプレッドが広い場合、指値や利食い・ロスカットが意図した通りに機能しない可能性があります。
- バックテスト: パラメータ(
RangePeriod
やEntryPeriod
)を最適化するために、十分なバックテストを行ってください。
5. 最後に
今回のEAは、RangePeriodを活用し、天井圏での逆張りとマーチンゲール戦略を組み合わせることで、相場の反転ポイントを狙います。適切なリスク管理を行いながら運用すれば、安定した利益を期待できる可能性があります。自動化により、トレード効率を大幅に向上させるこのEAをぜひお試しください!