テクニカル分析のよもやま話

私はほとんどテクニカル分析を使っていません。テクニカル分析を知らないのではなく、一般のテクニカル分析が相場の役に立たないと思っているからです。(一応、現役の認定テクニカルアナリスト CFTe®)

テクニカル分析がそもそもデータを切って加工しているだけのものですから、出力された数字に対して現在価格への影響というのは、それを見る人が信じない限りほとんど根拠がないからです。私が主催の勉強会などでも資料に盛り込まないですし、一般の方との会話でもほとんどテクニカル分析の話をしません。なので、一般の人から見たらちょっと物足りない講師であることは間違いないでしょう。でも、リアルトレーダー同士では話が当然進みますので何ら問題ないですし、彼らもテクニカル分析の位置づけを理解しているのでよいのですが、この辺りのギャップというのは確かに存在します。逆に言うと、テクニカル分析をコメコメとチャートに盛り込んでバシバシ説明できるくらい振り切れればもっと人気が出るのかもなぁ・・とも思っております。

でも、仕事の範囲内において相場の説明をするときはテクニカル分析を盛り込むと、一般の人には大変喜ばれますので説明用に分析結果を提示してみたりします。

他の人のセミナーや勉強会は当然見る目が厳しくなります。テクニカル分析で例えばボリンジャーバンドなどで上限バンドに近づいてきたからこれをブレイクすると上がるだとか、上限バンドが抵抗となって価格が押し返されるという説明を聞いても何も響かないです。更にもう一歩踏み込んでほしい。でも、相場というのは不思議なものでそのような「信仰心」があれば勝ててしまうし、信じ切っている人の説明は大変説得力があります。すごいなと思いますし、私もそれくらい信じ切れればよいのですが、やはり一般のテクニカル分析では相場に勝ち続けるというのは難しいというのが本音です。

テクニカル分析に対する反論は2点

1、テクニカル分析はうまく機能するときとうまく機能しないとき(タイミング)があり、相場状況によっては全く説明がつかないときもある。

2、バックテストでよい成績が得られていないときもある。

テクニカル分析とよく似た分析手法で、バックテストによるアルゴ開発がありますが、これはテクニカル分析とは別物です。テクニカル分析と似てはいるのですが、オリジナルのものであり少しフェイントをかけた相場観が入っているはずです。そして、その収益源泉が人間によるミスプライスや機械によるリアクションエラーなどの癖をとる部分になっています。

テクニカル分析指標の中でも、バックテスト検証によりうまくいくもの、うまくいかないものがあります。移動平均はほとんど機能しなかったです。パラボリック指標はトレンドに追従しロスカットが価格に近づいていくという、結構幅広い銘柄でもしっかりと機能するテクニカル分析指標だと思っております。ですが、YouTubeなどでもパラボリック指標で食っていこうとするアナリストはどうやらいないようです。ちなみに一目均衡表は論外です。

でも、テクニカル指標を題材に価格の動き方を観察して思考を拡げていくという使い方はありです。やはりテクニカル指標+αまで落とし込まないと勝ち続けるのは難しいのです。

追記で、バックテストできれいな損益曲線が多過ぎないですか?こんなのとか怪しいです。

↓↓↓こんな形であっても「再現性」があれば十分です。そして↑↑↑のようなシステムを作らないがゆえに、これもまた一般の方は理解してくれないというジレンマがあるわけです。

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