日本取引所グループの売買高・売買代金等

システムの検証を行っていると、どうしても無機的にデータを取り扱ってしまい、それぞれの時代に蔓延する景気感や経済意識などを忘れてしまいがちです。株式の方向性やボラティリティは市場心理にかなり影響されるので、価格や出来高以外でも何か取り入れたいものです。
ちなみに、現在の状況と言えば、皆さん困惑気味というところでしょうか。株価が上がるか下がるかもわからず、どうしたらいいかよくわかりませんよね。これが今の【景気感】です。
というわけで、面白そうな候補を見つけました。日本取引所グループの売買高・売買代金データです。
売買高・売買代金等
月間のデータですので、前月までのデータを取り入れて分析を試みるのもいいかもしれませんね。月足データと月間の売買高・売買代金データを用いたExcel検証が向いています。Excelは、プロトタイプの検証法としてかなり優れています。Tradestation等のシステムの専用ソフトは柔軟性がありませんから、こういうのばかり頼ってはいけません。
データの使い方を考えてみます。実際に検証していませんので結果は全然違うことになるかもしれませんが、事前に大まかなイメージを持ってデータ分析に取り組むほうが効率的です。すごく単純な事でもいいと思います。
私が思うのは、「取引高の増加は、価格にトレンドがある場合にその速度が増すのではないか?」といったことです。
前々月取引高<前月取引高 and 実体の大きい前月の月足陰線 であれば、下落継続
前々月取引高<前月取引高 and 実体の大きい前月の月足陽線 であれば、上昇継続
で、急激な変化(取引高の増減や価格動向)の場合はどうなのか?というところで具体的な数字を列挙して調べていけば何か発見するかもしれません。取引高や取引契約金額の移動平均を組み合わせて考えるのもよさそうです。
たまに、データ数が少なかったり検定しなかったりで「統計的にどうなのか?」と指摘する方もいらっしゃいますが、別に研究成果を発表する必要はないわけですから、気にする必要はないでしょう。逆に、統計的に有意であると判断されると、全てがそうである、という言い方をする統計バカもいますが、気にせずいきましょう。(最近読んだ本で、カチンときた部分があったものですから毒づきました。統計的に、という言葉を乱用して断定表現ばかりだったものですから。)
さて、最後に雑談ですが、驚くべきは国債先物取引(JGB Futures)の急激な出来高減ですね。2008年前半は108万枚だったのが2008年後半は68万枚、そして2009年前半は48万枚です。JGBの参加者はほとんどが機関投資家です。サブプライム関連の影響をもろに受けているということでしょう。今年後半はどうなるでしょうね。

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