高値引け、安値引けのからくり

高値引け、安値引けというのは思うよりも多いものですが、そのメカニズムは何でしょうか?思いつくだけで二つ理由がありますので、まとめておきます。

第一の理由です。例えば、出来高が1万枚の銘柄があると仮定します。そして、貴方は売買仲介のブローカーだとします。ある筋から「5000枚を買って欲しい。コストは終値で計算してくれ。」と言われたとします。あなたならどうしますか?大引けで出せば確かにリスクはありませんが、受けた注文によって自分の懐が合法的に潤う確率が高いということがわかれば、これをうまく利用しない手はありません。

大引けまでに手持ちの資金で少額だけ注文を出すという方法を取ることもあります。いわゆるフロントランニングという違法行為になりますが、たいていはる引値ギャランティー発注のような様々な手段を使って、合法的に法の網をくぐり抜けます。金融業界は抜け目のない世界であり、その大口注文を意図的に利用して利益を上げるということをやっているはずです。(自己売買はチャイニーズウォールという防護柵があるので利用できません)

思い出してもらいたいのが、その注文によって相場が動いてしまうという事実です。かなり単純なことなのですが、2回に分けて発注するということです。詳しくは、山崎元のホンネの投資教室 パッシブファンドの見えにくいコストについてをご覧下さい。こちらからアイデアを拝借しています。

山崎元のホンネの投資教室  パッシブファンドの見えにくいコストについて

1回目は、値段が上がらないよう慎重な取引を行い、数を揃えます。大引けは、ブローカーにとって上がった方が得なわけですから、その残りの発注分で一気に価格を吊り上げます。これが、高値引け、安値引けとなる一つの理由でもあります。

第二の理由です。今回は下落相場を想像して下さい。主人公は素人の個人投資家です。例えば、朝に【買い】で入ったと仮定します。値段がどんどん下がるわけですから、当然損失は膨らみます。
損切り設定をしていればよかったのですが、素人なものでそんなものは置いていませんし、仮に損切りを置いていたとしても、いざ損切りレベルに近付くと引っ掛からないよう更に遠くに置いたりします。そんなわけで、とうとう本日も終盤に差し掛かりました。一応、デイトレードを目指していますので何が何でもポジションを落とさないといけません。

もうギャンブルですね。最後に、「もうええわ。」ということで、引け成り注文を出します。そんな売り注文が重なるから、更に相場は下落し結局安値引けで終わるという理由です。これがいわゆるもうええわ注文といい、英語にもなっています(嘘)。That’s enough order.

面白くないおやぢギャグで申し訳なかったです。結局、マーケットの価格というのは買えば上がり、売れば下がるだけです。その内面を考察することは楽しいもので、システムトレードのアイデアにも直結します。

さて、日中のオーバーシュートはどういうことが考えられるでしょうか?特に動かない相場のときは、上方向や下方向に何回かオーバーシュートが起こり、予測不能なチャートを展開してくれます。もちろん、ストップオーダーが貯まっていたということもあるでしょうが、それだけでなく他にも色々と想像をしてみて下さい。

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