高リスク取引縮小と独立の流れ

1月15日付の日経新聞「米金融、高リスク取引縮小 規制強化に対応」の記事で、米金融大手が自己勘定取引部門を縮小しているとありました。

これは、リーマンショック及び2010年5月に発生したフラッシュクラッシュの原因ではないかと疑われている高速取引を含めた高リスク取引を制限するボルカー・ルールを意識された動きであり、モルガン・スタンレーは取引部門を独立させる方向に、シティグループやJPモルガン・チェースは部門の切り離しを行う予定で、ゴールドマン・サックスも部門縮小の姿勢を見せています。

最近、米金融大手からのヘッジファンド設立のニュースが相次いでいますが、今回はリーマンショック前にもあったバブル相場に似たヘッジファンド乱立の動きとは全く異なるケースです。つまり、優秀なトレーダーは、規制により独立せざるを得ない状況になっているのが現在の流れです。

例、Goldman Prop Team to Start Hedge Fund
Daniele Benatoff and Ariel Roskis, two of Goldman’s proprietary traders in London, are going out on their own with a $300 million stake from Brummer & Partners, Sweden’s largest hedge fund manger, according to the Financial Times.

2010年のヘッジファンド全体のパフォーマンスはまずまずの成績でした。運用資金も流入しているということで地合いは悪くありません。

Newedge CTA indexによると、2008年+13.07%、2009年-4.30%、2010年+9.20%とCTAの成績も少しずつ浮上してくる傾向にあります。ファンダメンタルズのほうでは欧州債務問題もくすぶっているのは事実ですが、米経済指標が良好な結果を示すなど楽観的な展望も強まっています。「強気相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟 し、幸福感の中で消えていく。」とありますが、ヘッジファンド業界でも悲観の中に何かが生まれつつあるのが今の状況なのかもしれません。

さあ、2011年はどのようなストラテジーが幅を利かせるようになるのでしょうか。

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