驕れる相場師久しからず

君子は泰にして驕らず、小人は驕りて泰ならず。
くんしはゆたかにしておごらず。しょうじんはおごりてゆたかならず。

トレーダーは君子でなくてもよいのですが、慢心や驕りというのはいずれ自分に跳ね返ってくるものです。熟練したトレーダーが謙虚なのは、ダメな時を何度も経験していますのでよい時に驕っていられないからです。一方、経験の浅いトレーダーがある程度の成功を納めたときは、ダメなときを経験していないが故に自信過剰になりがちです。

1998年、ノーベル賞受賞者が運用するヘッジファンドのLTCMは崩壊しました。LTCMの人材は世界で最も優秀だと言えるのですが、その巨額資金が自分の首を絞めてしまうといった誰もが理解できてしまうような罠に陥ったのです。自分達の頭脳がそれらのノイズも含めて凌駕すると考えていたのでしょう。リスクを過剰に取っていたことからも慢心があったと言えます。

2000年代、米国は世界一の透明性を持った市場を売りにして世界の資本を集めていました。優秀な頭脳が各国から集まり、情報インフラもさることながら、規制や法律も最高水準の質で整備されていると信じていました。しかし、その後にエンロンやワールドコムといった粉飾決算が原因での倒産が明るみに出され、米国の権威は地に落ちました。そこに、大国の驕りがあったのではないかと考えざるを得ません。

3月11日の福島第一原発については弁解の余地はありません。日本の強みは科学ではなかったのか、技術大国ではなかったのかというところですが、今回の事件であっさりと覆されたと言ってもいいでしょう。

しかし、大事なのは今後です。慢心や驕りがあったとしても、例えそのような気持ちがなかったとしても困難を克服していかなくてはいけません。ドローダウンは忘れた頃にやってきます。どんなにひどいドローダウンを経験しても、強い気持ちを持ってさえすればいずれ回復するでしょう。経験は必ずや今後の糧となります。

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