証券アナリストジャーナルの「為替相場の正しい見方」という論文で佐々木融さんが、為替相場についてシンプルな切り口を披露していましたので紹介します。まず、為替といえば米ドル/円のみしか思い浮かばないのが一般的かもしれませんが、為替というのは通貨のマーケットですから、当然他の通貨も考慮に入れないといけません。
以下の表は、世界的な株価変動による通貨の動きを表しています。株価下落時には円が買われ、上昇時には豪ドルが買われるという意味です。
為替変動と株式相場の関係
株価下落 →→→ 株価上昇
JPY→USD→EUR→CHF→GBP→CAD→NZD→AUD
株価下落 ←←← 株価上昇
これは、マーケットのセンチメントが強い時は、日米在住の資本家がリスクを取るため円や米ドルを売って投機通貨に移動しようとするからです。逆にセンチメントが弱い時は、円や米ドルの自国通貨に戻そうという動きが見られるからだというわけです。良く言われるような、景気が悪い時に消去法的に安全通貨である円が買われるということはありえないとのことです。
為替相場の通貨の強弱は国力を反映しているものではなく、ただ単なる交換レートであり、日本はデフレ環境のもとすなわち円の価値が上昇している状態だったのが最強通貨だと言われるゆえんです。つまり、長期的に購買力平価が成り立つというのが為替相場です。
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