求められるべきリターンとヘッジファンド投資家との対話

ヘッジファンド投資家が元トレーダーであったりヘッジファンド業界に詳しい場合は問題ないのですが、資金が潤沢だが業界に詳しくないヘッジファンド投資家とパートナーになる場合には注意が必要です。ヘッジファンド投資家の中には、いわゆる話題となったデイトレーダーや最高パフォーマンスのヘッジファンド(30〜40%のリターン、あるいは2〜3倍になった等)のイメージを持っています。

実際、そのヘッジファンド投資家が株式や先物を取引して一時期それくらいのパフォーマンスが出たときも注意が必要です。なぜならば、プロであればそれくらいのパフォーマンスを維持できると考えているからです。

しかし、そのように追い風ばかりでないことは皆様も承知の上と思います。つまりは、ヘッジファンド投資家とプロのヘッジファンドトレーダーとして求められるリターンには必ず乖離が存在し、契約をする上では慎重に対話を積み重ねなければ後々のトラブルのもととなります。私は以下の説明をするようにしています。

【説明】

リスク許容度にもよるが、コンスタントに年率10%出ていれば優良ヘッジファンドの部類にカウントされる。

10億円までといった資金預かりが小さい場合は10%以上行く可能性は十分にあるが以下の点に注意する必要がある。

・要求リターンと許容損失は同じ。損失となる可能性も当然ある。

・10%でも小さいと感じるヘッジファンド投資家が多数おり、最低限のパフォーマンスを維持しても不満に思われ、運用者としてモチベーションが下がる。

【コメント】

なぜか投資運用となると2倍3倍になって当たり前と考える人が多いが、昨今の日本企業のROEを考えてもそんなわけはないというところです。ベンチャー企業は3~5年赤字も許容するのに、資金運用は2ヶ月マイナスも耐えられないという感覚をもたれています。また5日連続マイナスだけで説明を求められる場合もあり、運用者としてはやりにくい環境が多いというのが現状です。

そのあたりの意識のズレもあるのがなかなか難しいところで、わかりやすくいうと出資側は3年マイナスでも平気な気概を持ち、運用者は半年でマイナスは出さない、資金を守りつつ2桁パフォーマンスを目指すというコンビ感が大事です。

管理報酬1%を基準として一人当たりの資金運用額が算出でき、コスト等含めてペイできるのが一人当たりの5億程度です。

【補足】

安定度を求めるのであれば数人の運用がベストです。逆に資金が多くなりすぎるとパフォーマンスも低下します。ヘッジファンド業界では個人の資金を入れるのも推奨されています。

ただ逆説的な話ですがきっちり環境が整備されていれば、瞬間風速で2倍3倍になることもあるのが運用の世界です。

2 件のコメント

  • 初めまして、名捨てと言います。
    >ヘッジファンド投資家が元トレーダーであったりヘッジファンド業界に詳しい場合は問題ないのですが…

    短い言葉で言えば、「理想と現実の違い」をどのように認識しているか
    ということに尽きますね。
    予想されるリスクとリターンのバランスを考えるというのが好きな人は投資に向いているし、
    そうでない人は向いていない。
    これは資産運用だけではなく、人生全般に言えることですが…

  • 名捨て様

    コメントありがとうございます。リターンを上げることはできるかもしれませんが、上げ続けることは難しいということです。トレーダー側もよいバックテスト結果や綺麗なトラックレコードを見せるから将来もその通りにいくのだと投資家は考えてしまうのですね。

    本当、未来はわかりません。我慢強い投資家が結局はトレーダーの底力を引き出し、いい目を見るのです。投資家がトレーダーを育てるのだといってもいいかもしれません。

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