未来のトレーディングシステム(ランダムネスの導入)

トレーディングシステムとはすなわち、融通の利かないトレードであるとも言えます。収益性の高いパターンを見つけ出し、そのパターンを愚直なまでに繰り返すことをよしとしています。問題は、誰の目から見ても明らかに利益が得られるパターンは長くは続かないということでしょう。だからこそ、誰もが探し求める聖杯にはありつけないのです。ほんの少しの優位性の積み重ねが利益を残すことにつながるのです。

では、仮にこれが野球の話であると仮定します。ピッチャーがトレーダーで、バッターがマーケットです。ピッチャーは、バッターに打たれないような球を投げることが必要ですが、バックテストを行う(=バッターの特徴を分析する)ことで、打ち取ることができる球のコースがわかったとします。仮にそれをインコース高めのカーブとしますと、トレーディングシステムというのはそれを延々と繰り返すのと同じことなのです。

当然、バッターはそのコースを不得意としていますから最初は打つことができません。しかし、バッターは学習します。いつもこのコースに球がくるのだから、このコースだけを狙って打ち返せばいいだけじゃないのかと。となると、段々とその打撃技術も向上し、いつの日かその不得意としているコースでの打率も上がってくるわけです。

ピッチャーにとっては深刻な問題を抱えることとなります。その理由は誰の目にも明らかですよね。そう、常にインコース高めのカーブを投げるからです。その単純な理論は、相手に読まれてしまうということです。プロ野球でバッターの不得意なコースを常に投げるピッチャーはいませんよね。

本当に優れたピッチャーは、バッターの不得意なコースに投げる割合を多くしながらも、相手に読まれないように投げることをしています。相手に読まれない技術というのは、ランダムネスです。ランダムであれば予測不可能なのです。先ほどの言い回しと同じことですが、本当に優れたピッチャーは、バッターの不得意なコースに投げる割合を多くしながらも、ランダムに投げることをしているのです。

では、トレーディングシステムに戻りましょう。トレーディングシステムは固定ストラテジーであっても相手に読まれるといったことはまずありません。それは、マーケット参加者による匿名性が働いているからです。匿名性を保つためにマーケットにインパクトを与えないよう、あえて少額で取引をすることもあるくらいです。ですが、そのストラテジーが認知され始めると、先ほどのピッチャーとバッターの話と同じとなります。なので、よいストラテジーが常にワークしないというのは当然だということでしょう。

この欠点を補うには、やはり優れたピッチャーと同じようなことを目指すべきなのかもしれません。トレーディングシステムにランダムネスを導入するというのは滑稽に見えるかもしれませんが、意外とそれがうまく機能するのがマーケットなのかもしれませんよ。猿のダーツ投げの話が出てくるような世界ですから。

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