トレーディングシステムの運用で目安となる損失の基準は過去の最大ドローダウンとなります。しかし、過去の最大ドローダウンはデータ期間の範囲が今後も延びていくということと将来の不確実性のためほとんど必ずと言っていいほど更新をします。これはどういうことを意味するかと言いますと、資産毀損の目安としている額よりも多くの額を減らす可能性があるということなのです。
継続性は最も優先されるべき事項ですから、ドローダウンを経験しているときに撤退することはトレーディングそのものの撤退となります。そのような撤退を回避できるよう損失に対する適正な評価はしておきたいところです。損失の過小評価はするべきではないですが、過大評価ももちろんするべきではありません。正しいリスクを取り、正しいリターンを得ることで今後の運用成績は全く異なってくるからです。
さて、その正しいドローダウンの目安とはどのくらいを考えるべきでしょうか。最もシンプルなのは過去の最大ドローダウンを基準にした倍数を用いる方法です。例えば過去の最大ドローダウンの2倍、3倍と物差しを置くことで考えます。もう一つの方法が過去の最大ドローダウン+過去の最大損失を基準にする方法です。最大ドローダウンを更新している最中に、更に過去に経験したことのない最大損失を被ることは、実は実際のトレーディングでも頻繁ではないにしても経験することはあります。その基準は当然過去のものですから、その過去の最大ドローダウン+過去の最大損失からの倍数を用いるというテクニックも考えてよいでしょう。あとは、先物等の証拠金を使う取引は約定代金総額を常に頭に入れ、過度のレバレッジを防ぐことで正しいリスク管理ができるようになります。
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