日中の投資家行動パターンと今後の対策

1、日中の投資家行動パターン

出来高は、一般的にはU字型を形成します。これは、寄付き直後とクローズ間際に売買が頻繁に行われ、中盤での売買は閑散としているところからきています。寄付き直後はアマチュア相場と称してデイトレーダーやスキャルパー、その他個人投資家を多く含み、いわゆる値段のみで売買する勝負師が多く、クローズ間際はプロフェッショナル相場とも言われ、機関投資家等の売買が増加します。この根拠としては、寄付き直後に指値注文が多く、クローズ間際になると成行注文が増えることが挙げられます。特にクローズ間際は時間終了に近付くにつれて、成行注文の頻度は高まります。約定しないと困る連中がいるのです。

指値注文には、約定価格の保証はあるものの約定可能性が不確かであるという特徴があります。約定できないペナルティが、有利な約定価格を取りたいという動機を上回ると成り行きに走ります。必ず本日中に執行を済ませたいという制約は機関投資家に多く、その制約は金融機関で働くサラリーマンにとっては儲け以上に大きいのです。

注:アマチュア相場・プロフェッショナル相場という分け方は、プロフェッショナルが分析力に優れて相場予測の精度が高いという意味ではなく、単に所属による分類での表現です。

2、投資家行動パターンは今後変貌するのか?

Arrowheadのような取引所の高速売買システムの導入により、高頻度取引が増えてきています。投資家行動パターンを研究するのは時代遅れであり、最先端のテクノロジーを追求していった方が儲かるんじゃないかとお考えの方も多いと思いますが、私はそうは思いません。

高頻度取引の売買手法は、確かに非効率的な売買により滲出される部分を獲得していくものですが、相場のうねりから利益を得るようなものではありません。相場のうねりは需給によって成り立ち、人が買いたい・売りたいと思う欲求からきています。その部分の読みをプログラムごときができるわけないじゃないか、とシステムトレーダーらしからぬことを書いてもいますが、システムトレードが絶対的なものではないということを知っているシステムトレーダーでいることは大事なことだとも思います。

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