想像と現実のギャップ -思考の違い-

相場ほど単純なゲームはない。しかし、相場ほど複雑なゲームもない。

と、ちょっとした格言のようにまとめてみました。相場の仕組みを説明するのは至極簡単です。安いところで買って、高いところで売れば儲かります。それこそ、四則演算が可能なレベルであれば全く問題なく受け入れられるルールです。事後チャートを見れば、売買ポイントを指差しながら皮算用するのも難しくありません。

今となっては、リーマンショックのときに株を持っているなんてバカとしか言いようがないような気にもなりますが、実際にポジションを張っている方にとって、そんなことは決してないというのは肌で感じていらっしゃると思います。リーマンショック事前に株式を一旦手放すのなんてもはや奇跡の所業です。損切りができても、よいポイントで損切り出来ている人はかなりトレーディングが上手い部類であり、大抵は思考が固まって行動を起こせません。行動したとしても、相場に踊らされた無茶な行動である場合も多く、まずいタイミングでの損切りや再エントリーなど、ひどい結果になることもよくあります。

わかりやすい例でリーマンショックを引き合いに出しましたが、何もこのようなビッグイベントだけがトレーダーの焦点となっているわけではありません。リーマンショックで上手い行動を取ったと満足しているその直後に、また新たな行動の選択肢が出てきます。今、この日記を書いている時点でも本日は米株高となっており、次にどのような行動をするべきかが問われているわけです。

今の最善の行動は何なのかと常に考えているトレーダーと、単なる相場解説者とは雲泥の差があるわけですが、面白いことに、相場師サイドから見てただの解説者とそうでない人の区別は明らかなのですが、解説者サイドから見て相場師とそうでない人の見分けはどうやらつかないみたいです。

現実に直面したマーケットのうねりの中での思考と、既に止まったマーケットを解いていくことは全く別の作業となるわけですね。トレーディングシステムの損益曲線も然り、熟練するにつれて綺麗過ぎる損益曲線を追い求めることはなくなります。いやいや、そんなうまくいくわけないっしょ!

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