ヘッジファンド等の運用主体の金融機関やクォンツトレーダーは市場の上下を単純に見ているわけではなく、常に市場の非効率性に目を向けています。システムトレードも、その収益源泉は市場の非効率性であり、統計学モデルを利用したトレードと収益源泉が似ています。
非効率性には一時的なものと継続的なものがありますが、システムトレーダーが追い求めるべきなのはこのうちの継続的な市場非効率性です。一時的な非効率性とは、大きな注文が出たときのインパクトによるマーケットの変動、誤発注やニュースによる変動が原因となります。
一方、継続的な市場非効率性には構造的なものと市場心理に則したものがあります。トレーディングシステムは、これらの継続的な市場非効率性を考慮に入れて作成されるべきであり、そのようなシステムはその場しのぎのシステムと比べるとはるかに堅牢性(けんろうせい)に優れています。
構造的な歪みである市場非効率性(いわゆる代表的なアノマリー等で説明されることが多い。)は多くの参加者に狙われやすい性質を持ち、時間が経つにつれ収益率は低下していきます。市場心理に則したシステムは、爆発力がないものの長期的な優位性をもっており、収益率は低いものの低下することはありません。
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