売買ルールの対称性

熟練したシステムトレーダーは売買ルールを対称にしている方が多いです。売りと買いは根本的に違うというのは紛れもない事実でパラメーターを売買方向で変えてもよいとは思うのですが、売りと買いで最もうまく機能する数値を探し出すということは、最適化のわなに陥る恐れがあります。

つまり、シミュレーション結果をある程度は犠牲にしても、堅牢性(再現性)の方を重視するというのがベテランシステムトレーダーの技です。堅牢性は、バックテスト成績等の数値に表れないシステムの良し悪しにつながります。

ここで、更に深く売買ルールの対称性について考えてみたいと思います。1000ポイントのものが5%上昇した場合に通常の計算だと上部のような結果となりますが、下部のように計算方法を変えるとどうなるでしょうか?

・5%上昇 1050【1000×(1.05)】
・5%下落 950【1000×(0.95)】

・上昇 1050【1000×(1.05)】
・下落 952.38【1000÷(1.05)】

少し下落ポイントが変わりましたね。しかし、952.38が5%上昇すると1000ポイントになります。微妙にアウトプットは異なりますがこういう使い方をすれば、少し売り買いでバイアスをかけることができ、かつ堅牢性も保てるのではないかと思われます。つまり、自身の開発ルールに抵触せずに売買のバイアスをかけることができるというちょっとしたテクニックでもあります。

逆に、その値幅を売り買い逆にしてみて
上昇 1047.62
下落 950

としても面白そうです。売りと買いが違うのは事実ですから少しだけバイアスをかけるというアイデアも良いのではないかと思います。

1 個のコメント

  • はじめまして。takechanと申します。

    とても参考になる記事が目白押しで素晴らしいブログですね。

    ときどき勉強に参ります。

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