商品先物取引市場

証券アナリストジャーナルの川本、岩田氏論文「商品先物取引市場の現状と今後の展望」では、日本の商品先物取引の現状、低迷している理由を的確に分析しています。昨今、世界はコモディティ相場の到来ということで、出来高水準も右肩上がりに推移しており、メタル、エネルギー市場のニュースからもその活況さは伝わっていると思われます。

日本の商品取引所はどうでしょう。今年は金でそこそこの出来高を計上しているようですが、2003年度をピークに減少トレンドは変わりません。ITインフラの遅れ、英語表示がなく海外投資家から見向きもされないこと、取引制度のガラパゴス化、監督官庁の煩雑な手続きが理由として挙げられます。

以上の問題は抱えていますが、一番の理由は個人投資家の減少です。元々、日本の商品先物市場は個人投資家の割合が多かったわけですが、商品先物業者の強引な販売手法や詐欺まがいの勧誘が横行し、その防止のため2004年に商品取引所法改正が行われました。これにより、トラブルは縮小し、市場は健全なものになりつつあるということですが、苦情減少と同時に市場参加者も劇的に減ったというのが真相です。個人投資家が減れば、プロフェッショナル投資家も興味を失い、取引所は衰退の一途を辿るということにつながります。

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