参加者の多いマーケットでいかに儲けるべきでしょうか?参加者の多いマーケットでは大衆心理に影響されるというのがわかりました。ということは、その心理動向さえ読めれば勝てるようになるわけですが、この心理動向を読むというのがものすごく難しいわけです。
今日上がったから明日も上がる、きょう下がったから明日は下がるという単純なルールで儲けられるほど、相場は甘い世界ではありません。心理に根差したトレーディングシステムの成績を見ても、手数料やスリッページを引けば「負け」のシステムも出てきます。心理の状況変化はゲーム理論によって説明されるかもしれないですが、明らかな答えは未だ出てきていません。だからこそ、トレーデイングは知的ゲームでもあり一筋縄では行かないものなのです。
では、値動きはほぼランダム状態で押し寄せてくると仮定してみましょう。マーケットは人の売買行動によって動いていますので、大衆心理に支配されているのは間違いありません。従って、ランダムであるとは言えないのですが、少なくとも色々な参加者がいる以上、ランダムであると仮定しても、し過ぎることはありません。むしろ、このランダム状態があるからこそトレードは難しくなっていると言えると思います。
ここで大事なのは、いかにランダムといえど規則的な値動きでは襲ってこないというところです。パターンに従って上昇、下降、上昇、下降と規則正しいわけではありません。本当にランダムで襲ってくるとすると、値動きの軌跡は正規分布を描きます。つまり、全体の1%で10回のうち9回上昇という場面にも出くわすというシナリオも含まれるわけです。

ここで、標準偏差を用いたボリンジャーバンドというテクニカル指標がありますが、私が述べている値動きのランダム性と同じ意味を含んでいるわけではありません。ボリンジャーバンドは移動平均線からの値動きの標準偏差±3σに価格はおさまりやすいということを示していますが、全体の1%で10回のうち9回上昇というシナリオも想定できますので、ボリンジャーの上側バンドを超えてとんでもない所に行く可能性もあるということを意味します。つまり出発点は移動平均線ではなく、その直前の価格からの出発であり、その出発点から累積的な値動きを発生させていきます。事実、標準偏差±3σを超えるのは確率的にかなり高いです(値動きが正規分布ではないというのもありますが・・)・・・べき乗分布が候補として挙がっています
となると、このボリンジャーバンドに使用される二変数である時間と価格というのは少し足りないのではないかと個人的に思うわけです。つまり、もう一つの変数を付けくわえて三次元正規分布を仮定すれば、システムの堅牢性も増すでしょうし、リスク管理もうまくいきます。そうすることで、より柔軟性のあるモデルが構築できることだろうと思います。問題はこの三番目の変数を何にすればいいのかというところですが、普通ならば出来高が候補に挙がるわけですが出来高だと少し物足りない気もしますし、この辺りは今後の課題となりそうです。
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