今は亡き住商エレクトレードさんのインタビュー記事を引用します。
ミスプライシングには2つあり、ひとつは、『テクニカルミスプライシング』。もうひとつは、『コンテクスチュアルミスプライシング』がある。前者は技術的なもので、例えば先物と現物の価格がずれているなど単純なもの。これは機械に取って替われるものだ。後者は、なぜ、ミスプライシングが起きるかを構造的にマクロの面から探ること
以上を踏まえて、ミスプライシングというのは2つのパターンがあります。一つはすぐに訂正されるもの、もう一つはそのまま継続してしまうものです。
すぐに訂正されるものの代表的なものは誤発注ですが誤発注自体は稀な現象なのであまり考慮する必要はありません。次に考えられるものは、時間によるアノマリーです。詳しい背景は当然わからないのですが、例えば、9時15分にある一定の大口注文が入るなどにより価格が歪む場合です(フィクション)。このような現象を説明する要因は、規律正しいファンド等が発注時間を指定しているというのがあるのかもしれません。株式ファンドで言えば、買う場合には慎重に行動しているところが多いのですが、ロスカットや換金売りのときは明らかに単純な行動を取っているところもあります。また、これとは別に曜日毎で分析してみるのも面白いと思います。
そのまま継続してしまうミスプライシングの代表例は、先物と現物の価格がずれている等の理論価格と現実価格の乖離です。理論家が間違ってしまうのはこのようなミスプライシングで、現実価格は理論値に収束しないものだという前提が少しでもあれば退場は免れます。百歩譲って、通常時に大体は収束するのですが、市場というのは間違うものであり更に間違いがひどくなるというケースもざらにあります。LTCM破綻、フラッシュクラッシュ、ブラックマンデー、ブラックスワン、チューリップバブルなどなど過去事例は幾らでもありますので参考にして下さい。賢くトレードをしているつもりが、賢くない他のトレーダー(ノイズトレーダー)の思惑により逆に引き裂かれてしまうというシナリオもありますので十分注意しましょう。
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