先日の【システムトレードの収益源泉とマーケットの効率性】より、ただの通りすがり様からコメントが寄せられました。長くなりましたので本編にて掲載いたします。
ただの通りすがり様のコメント
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マーケットが効率的なのか非効率的なのかは、すでに世の中で主要論点ではなくなっていると感じています。どのような類の非効率性があり、その強さや成立範囲などが議論の対象になっていると思います。
仰るとおり、小職も直感的にも非効率であると感じていますし、また統計的にも、日本株式市場の(中小)個別株はランダムウォーク仮説検定(予測可能性がない→効率的である)が棄却される(→何らかの非効率性が存在する)場合が多いです。#ここでの「非効率性」はアノマリーと置き換えてもいいです。
で、結論は同じ話の繰り返しになりますが、どんな非効率性がどの程度あり(あったのか/今もあるのか)、またそれは活用できそうなエッジ的な性質をもつものなのかを具体的かつ個別に議論することが重要です。これは「非効率性の有無」の議論とは別次元のホットイシュー(つまり金になる話)だと思いますので、Webなどでは議論しにくい(つまり、あちこちには書かれていない)と感じています。
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コメントを頂きありがとうございました。建設的なコメントは議論が進みますので、本当に感謝しております。おっしゃる通り、マーケットが効率的か非効率的かという論点は既に過去のものとなっております。
また、少々話はズレてしまいますが、マーケット心理等の行動ファイナンスに関しても既に過去のものとなり、現在学会等で活発に議論されているのは、正規分布を前提としたVar等のリスク管理は正しいのか?相関を一定に考えるのはおかしいのじゃないか?といったことにシフトしているように思えます。これも、2008年度のクレジットクランチでビジネスモデルが破綻したことにより議論が活発化してきたわけですが、いわば、とうとう相場の直観や感覚が学術の枠組みに喧嘩を売り始めたのに似ているのでは?と感じています。(大袈裟ですかね??)
このようなトレンドの中、まあ、論点を簡潔化するためとはいえ【市場は効率的なものとする。】という仮定を使っている論文がいまだに多いことがちょっと気になります。論点が霞んでしまうので、市場は効率的だと言わざるをえないということで、仕方がないと言えば仕方がないのでしょう。市場は非効率的だという前提で書いてある論文は読み物として面白いのですが、以上のような理由でなかなか思いきって非効率を前提とした論文は書かれないものなのかもしれません。
実務側においては、ただの通りすがり様がおっしゃる様なホットイシューを渇望していることだと思います。具体的でユニークなものがあれば是非、拝見したいと思っていますがなかなか見つけるのは難しいです。当然、世間に知れ渡ればホットイシューでなくなるのですが、それでも何かヒントになるようなことでも追い求めていって欲しいと学術側に期待しています。
当ブログがその出発点となればいいのですが、論理的な説明を入れるのは冗長的なものとなってしまいますし、ただのブログが果たす役割ではないとも考えていますので、適当に、そして思いつきのみでこれからも書いていきたいと思っています。
ただの通りすがり様におきましては、ただの通りすがりというハンドル名で結構ですので、また訪問して頂けたら幸いです。【追記:直観って大事ですよね。システムトレードに必要な要素だと思います。】
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