エネルギーから外れた場合にいつか元の位置に収束していくというような万物の法則は、マーケットに存在するのでしょうか?それは、神秘的なものでも何でもなくて他でもない人間の行動がその原因のように思われます。結局のところ、相場が動くというメカニズムは人間が買わなければ上がらないものであり、売らなければ下がらないものです。
株価についても、企業の業績の好転や悪化で株価が動くように思われますが、それも会社の業績の好転や悪化を織り込んで人間が売買することにより株価に影響を与えるというのが真相で、そもそも企業の業績というのもその企業で働く人間の経済活動の結果ですから、人間行動に左右されないはずはありません。
また、理論値という考えがありますが、理論値というのは現在の企業の業績という言わば人間の経済活動の集積から算出されるもので、実際はその企業の将来の期待や経済状況も考慮された値に、更に思惑も入り込んで、価格が形成されます。ですから、根本的な原動力というのは人間行動以外のなにものでもないというのが私の考えです。
日の出や日の入り、水の上から下への流れというのは万物の法則というもので説明できますが、マーケットの根本的な原動力というのは人間行動でしかありませんのでマーケット・メカニズムの万物の法則はこのようなものとは全く性格が異なります。例えば、普通の人は夜寝て朝起きるという行動を繰り返します。土日は休みというのが一般的な活動スタイルでしょう。ですが、人の生活はそれぞれ違うわけですし、きっちりと全員の睡眠時間を予測することは不可能です。
このような性格をもつ人間がマーケットを支配しているということは、マーケットそのものが理論通りに動くということは通常ありえないという結論に達します。しかしながら、ある一定のノイズを除けば、エネルギーの流れのようなものを感じ取れるのではないかと思いますし、そのエネルギーの流れというのが需給関係を示しているのだとも思います。
要約すれば、マーケットというものは決まった法則があるように見えて、確かにその法則どおりに動く場合もあるが、ランダムに近い部分もある。ということでしょうね。さて、そういったフィールドで実際に売買活動により他人を出し抜く方法があるのだろうか。という題材がトレーディングで勝つことと同じ意味だと思います。この追及方法の考察は次回に回すこととします。
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