伝統的なファイナンス理論では、リスクが高ければリターンも高いという関係が成り立つものですが、現実にはボラティリティの高い株式銘柄のほうが低リターンであり、またボラティリティが低い株式銘柄のほうが高リターンを得るという現象が見られます。このようなボラティリティに関するアノマリーの存在を、ボラティリティ・パズルといいます。
この原因として、ボラティリティの高い株式銘柄について市場関係者の銘柄に対する期待度が過剰となっているからだという実証結果が得られています。(激しく動く銘柄はリターンも大きいに違いないという思惑や、激しく動く銘柄は売買が活発である=過大評価されやすい等)
上記のアノマリーを有効利用するには至極単純で、高ボラティリティ銘柄から低ボラティリティ銘柄へ資産配分を移動することです。この論理は、トレーディングシステムにも当てはまり、変動の少ないトレーディングシステムが高実績を上げることは珍しくありません。ということは、少なからず聖杯に近いトレーディングシステムを開発することは現実的に可能であるとも言え、トレーディングシステム開発者にとっては嬉しい追い風となるでしょう。
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