子供の頃のお話ですが、人間の腸の長さは4~7メートルあるということに衝撃を覚えた記憶があります。人の身長は2メートルもないのに、その体の中にはそれより長い腸があるのだと思うとすごく不思議に思えました。くちからおしりまで一直線じゃないのですから、これは当然のことなのですが、子供の想像力では一直線だと思ってしまうのがどうやら限界ということのようです。
ということで、マーケットの値動きと人間の腸について少し対比させながら考えてみましょう。
寄り付きで買って、引けで手仕舞うというシステムがあるとします。これは、人間でいうところのくちとおしりの部分に値します。日中に激しい値動きがあったとしても元の値段に戻ってくることもありますので、たとえ激しく動いた相場であったとしてもその取引結果は小さい値幅分の損益だったということもありえます。
では、その値動きを更に細かく区切ってみましょう。細かくすればするほど、値動きの軌跡は長くなる傾向にあります。その合計が最も長くなるときは、最小の値動きでみたときだと言えます。マーケットで言えばティック足、歩み足まで分析した場合ですね。ですから、データを極限まで細分化し100%の確率で値動きを予測すれば最大の利益を得ることができると理論上はそうなりますが、現実世界でこの理論はあてはまりません。それはエントリーする毎に取引コストが発生するからです。そのコストを差し引いた後の最大利益を得るために、トレーダーはどういった区切りが一番有効かという見極めを行います。これは銘柄によって異なりますので詳しい分析が必要です。
以上、タイムスパンを選択することは難しいことですが、昼間に仕事を抱える方がトレードする場合は「寄り付きで買って、次の日の寄り付きで手仕舞う」という区切りくらいしかトレードが出来ないのが現実です。そして、その区切りはトレードスタイルないしライフスタイルに合ったタイムスパンとなります。銘柄に合わせるというよりは、自分のトレードスタイルを確立することのほうが大事だということをここで強調しておきます。細かく区切ったからといって勝ちやすくなるわけではありません。
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