システムトレードはアイデアがベースとなるものですが、アイデアをシステムに落とし込むことでそのストラテジーの成績評価が可能となります。過去データにおいて良い成績であるということは、将来においても成績が良いであろうという前提の下で同じストラテジーを繰り返していきます。
アイデアを形にする方法は3つあります。
1、リアルタイムでマーケットに対峙し、トライ&エラーでアクションを微修正しながらストラテジーを昇華させる方法
2、マーケットを観察することで、ひらめいたアイデアを基としてバックテストによりアイデアを形づける方法
3、バックテストの過程で、データマイニングをすることで優位性のあるアクションに行き着く方法
生粋のシステムトレーダーが得意なパターンは3→2→1の順となります。メリットとしてはバックテスト過程において損失を被ることがないことです。デメリットは、マーケットの本質が見抜けないことです。データ分析をバックグラウンドとしていますので、大まかなアイデアから出発し、検証していくことで客観的事実を得ることが可能です。例えば、ある時間帯において反転しやすい→データ検証→高確率で反転することがわかった等です。大前提から出発する演繹法に近い考えです。
いわゆるクリックトレーダー(デスクに座ってボタンをポチポチと押すトレーダー)は、1のみで完結します。ほとんどのトレーダーのタイプがこちらのスタイルですが、システムトレーディング的な要素を取り入れるならば1→2→3というプロセスを歩みます。リアルでトレードを行いますので、マーケットに対してそれ相応の授業料を払うことになりますが、構築されたストラテジーは磨き抜かれた本物のストラテジーです。常にデスクに座っていないといけないので大変労力とストレスが伴います。こちらは一つ一つのアクションを確かめながらストラテジーを構築していくので、帰納法的なプロセスとなります。
堅牢なアイデアをシステム化できれば良いのですが相当に複雑であったり、柔軟性があるゆえにプログラミング化が難しかったりします。皮肉なことに、システムトレーダーは堅牢なアイデアを求め、クリックトレーダーはシステム化を求めます。
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