経済指標の発表後等、値段が激しく振幅するマーケットは、チャートの軌跡を事後で見る限り儲かりそうな気になりますが、実際にその値動きを捉えることは至難の業です。トレーディングシステムもその値動きを捉えられる場合もあるかもしれませんが、損失取引で終わることも十分考えられます。「ここで買って、ここで売ればもっと儲けられたのに・・・」と考えてしまうのがトレーダーの心理です。
上下往来相場でのトレーディングは、値動きの方向とそのタイミングや継続時間を正確に把握しないといけないので、トレンドに乗るよりははるかに難しい取引です。システムがその値動きの中で勝てるのは、コストとタイミングを十分に検証するからであり、マーケットの動きに反射して無謀なトレーディングを繰り返せばたちまち飲み込まれてしまうことでしょう。
こういう値動きを取ることは、相場が知的ゲームであるという観点からするとかなりの満足度が得られます。しかしながら、トレードはゲームではなく儲かれば勝ちの世界ですので難しい相場で勝つ必要はないのです。誰もが勝っている中で当たり前のように勝つ。どの株を買っても上がるという時期に株を持っている、誰もが下落相場で苦しい時にキャッシュ比率が高いというのが成功の条件です。
トレードの世界は自分が賢いと思っている人ほど足元をすくわれてしまいます。長期的に見てトレンドフォローはいつの時代も勝ち残ってきました。何も考えずにトレンドに乗るだけで賢い方々に勝ててしまうのも相場です。結論として、トレンドのない、動きの激しい相場での最も合理的な行動は何もしないということだと言えます。ついでに言うと、ボラティリティが小さすぎる時期も短期トレーディングをしない方がよいです。幾多のバックテストの結果を見ても、それは証明されているように思います。
コメントを残す