トレーディングと社会貢献が結び付けられないか、ずっと考えてきました。トレーディングを追及することで、IT技術革新が進歩し、数学知識の重要さが認知できるだとか、資本市場の流動性を供給しているだとか色々ありますが、まあどれも弱いと感じています。トレーディングが利益追求型である以上、どうしても利己的にならざるを得ないというところです。
自分が何を目指しているのか。
仮に完璧なトレーディング技術が身についているとして何を求めているのかを考えた場合、何千億円ものお金が必要だとはどうしても思えません。いい車に乗って、いい家に住んで、海外旅行して、といった物質的な豊かさを追求することが幸せなのでしょうか。
今、我々は食べ物に関してはそれほど不自由していません。金銭的に食べたくても食べられない、というものはほとんどないはずです。食べ物がない時代は、出来る限り食料を集めることが目的でしたが、今、食欲を追求し常に満腹状態を保つと、出てくるのが肥満の問題や食欲を満たしたことによる脳活動の低下というところです。本当に食べ物をおいしく頂くためには、生活が充実していることが前提で、新鮮な食料を創意工夫により調理されたものを感謝の気持ちを持ちながら少しだけ頂くことです。
トレーディングについても同じことだと考えています。大きな枚数でガンガン売買をして荒稼ぎする人も中にはいるでしょうが、そうなると些細な生活の楽しみというのが消えてしまいそうで、私は正直怖いのです。トレーディング技術を磨くことに妥協はしたくありませんが、絶対額を追及することには疑問を呈しています。市場のパイが限られている以上、絶対額を求めるのは大量生産大量消費時代と何ら変わりがないと。ならば、現代社会が移行しつつあるデザインや機能の追求といった質の向上がトレーディングにも求められてくるのではないかと、そう考えています。
トレーディングは在庫を持たない効率の良いビジネスです。賢くないと勝てないと思われているかも知れませんが、実はそうではなく、極端にアホでなければ生き残れる世界だと考えています。が、効率生産、高付加価値をつける、単位時間当たりの成果を高める、意思決定を早めるということが同時に求められる世界でもあります。また家族や恋人の時間を大切にするなど、人間としての生活の質を下げないことも重要なのは当然でありますが、トレーディングは高効率ビジネスですからその申し分のない両立が実は可能なのです。そして、この効率的な運営を一般の家計に当てはめることこそが社会貢献につながるのではないかと、そういう考えに行き着きました。
金融というのはそもそも資金の融通を意味するものであり、主役であってはなりません。コンサルだアドバイザーだとエラそうに指示するのではなく、あくまでフィードバックをさせて頂く立場で、プロの金融マンとして広義のファイナンシャルプランを提供したいと思っています。トレーディングを教えるということは一切せず、投信等はそれなりですが、保険はむしろ解約を促します。得意なことに焦点を当てることを軸に自分の頭で考えて頂くことこそが、より良い生活の質向上に結び付くのではないかと思っています。
まだまだ構想段階ですが、そのような方向性が良いと考えています。
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