システムトレード実行のための仮説の立て方

ビジネスにおける仮説の立て方が、トレーディングシステム開発のプロセスとよく似ていましたので共有いたします。仮説を立てるにあたり、裏づけとなる証拠や材料が必要です。材料の収穫はマーケットのモニタリングから得られますが、書物から、もしくは経験から得ることがほとんどだと思います。例、3日間の高値を終値ベースでブレイクした場合は下落しやすい。

よい仮設とは、次のアクションを起こすきっかけがイメージできるもの、裏づけを集約して●●●だから、×××する。というステートメントに落とし込めるものです。この×××するという部分を一つにまとめたものが仮説と言えるでしょう。

仮説というのは「仮の」ステートメントと言えます。材料が集まることで仮説の精度が高まり、修正されることで補強されていくイメージです。仮説が最初から使えるステートメントのままだったということはよほど頭がシャープでない限りはないでしょう。試行錯誤をして実験していくためのガイドラインということが言えそうです。

より確実なものにしていきたい衝動に駆られますが、実はこの仮説が確かなものになればなるほどマーケットの中で威力を発揮できません。これが現実の事象と異なるところでしょう。定説になっているマーケットの癖があれば誰もが同じことをしますから、その行動で儲けることはできません。やはりマーケットはパイが限られているゼロサムゲームであり、自己相関と言いますか自分自身の行動が全体に影響を与えてしまう特徴があるからです。だから、定説であるテクニカル分析では勝てないのです。

一本の仮説で勝負できるものであればあるほど強い仮設だと言えますが、実際は小手先のテクニックを落とし込むことでトレーディングシステムとして仕上げます。ユニークで斬新であり、自分だけの仮説を立てることが良質なトレーディングシステムに結びつくことでしょう。仮説を立てるというのは重要なプロセスだと思いますので、こういう項目を織り込んだシステムのミッションステートメントのテンプレートを作っていきたいなと考えています。

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