システムトレードで最も必要なのがConsistency(一貫性)です。トレーディングで100%の勝率というのは原則的にありえません。たとえ何回か負けても、ドローダウンを更新しても、ずっと根気よく続けることが成功の近道であるとよくシステム関連の文献にも掲載されています。一つのトレードで大きく儲かったり、あるいは損をしたりと紆余曲折を経て利益を積み重ねるわけですが、どうしてもシステムそのものがうまく機能していないのではないかと思うときもあります。そのときこそがシステムの見直しを行うタイミングです。そして、もしこれからも利益を上げられないと判断するのであれば、そのときがシステムを廃棄するタイミングです。しかし、それはまさに言うは易く行うは難し、の典型的な例です。
システムの見直しがいつ必要なのか、何を基準にすればいいのかというところですが、明確な答えは残念ながらありません。ですが、これまでトレーダーが培った経験と実戦で幾つかの方法が挙げられています。
・シミュレーション上のパフォーマンスに乖離が見られるとき
バックテストのパフォーマンスと実際のトレードを比較します。例えばリスク管理で重要な項目が最大ドローダウン、連続負け、損失額、損失パーセント、ドローダウン回復期間等です。トレードを行う前にこれらの基準値をあらかじめ設定し、その値が基準値を超えたときにシステムをストップするという定量的な方法が考えられます。数値は正規分布するという前提でトレード回数と絡めて計算し、そのレンジ幅を推定するという方法もあります。
・構造上の問題で明らかにシステムが機能しなくなったと感じるとき
例えば、これまで経済指標は午後2時半に発表されていました。最近、そのほとんどが朝の株式マーケットのオープン前となっております。午後2時半、もしくはその前後で時間指定したシステムを運用していた場合、この発表時間変更はかなりのインパクトを与えるはずです。その他にもシンガポール日経市場での電子市場への移行、あるいは東京工業品取引所の夜間取引の延長、大証の先物市場の昼休み撤廃などシステムが機能しなくなる要因となる現象が多く存在します。つまりはシステムの定性分析も必要となります。
以上、幾つかの方法があるわけですが、システムの組み込み判断はトレーディングの売買判断と同じようなスキルが必要であるとも思います。
参考ブログ システムのリスクテイク
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