投資の世界においては何よりも分散化というのが推奨され、相関の低いアセットクラスは標準偏差が大きくてもたいしたリターンでなくても積極的に取り入れるべきだといわれています。システムポートフォリオを構築する上でも、このシステムの分散化というのは重要であり、相関の低いシステム、すなわち他のシステムとあまり連動しないストラテジーを多く採用することが良いとされています。
さて、このような理論があるわけですがシステムの分散化というのは一歩間違えると収益性が分断されてしまう可能性があります。システムというのは言わばトレーディングという行動の優位性を追求したもの、つまり合理的な行動の集大成であり、リターンを上げられないシステムというのは例え相関が低いとしても、採用するメリットはないのです。
例えば、複数のシステムを同時運用する場合にリスク許容の範囲において資金を各システムに分け与えるわけですが、儲けられないシステムに資金を配分するということは全体的な収益性を損ない、儲けられるストラテジーに多くの資金が回っていないというポートフォリオになってしまいます。簡単にいえば、ダメなシステムを完璧に分散化したとしても、収益は上げられないのです。儲かる一つのシステムで運用した方が断然良い結果になるということもあるわけです。また、システム作成にかかる労力とシステム実行の限界もありますので、曖昧なストラテジーを多数作って忙しくトレードするよりは、少数の自信あるストラテジーを採用してじっくり運用する方が格段によいのです。
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