マーケット・マイクロストラクチャー理論のクラウディング・アウト効果とは、板の厚みを考えた際に、板の薄い方の指値の執行確率が高いことを意味します。
これは時間優先原則で説明できます。例えば、買い板が膨大な厚みを持っていると仮定しましょう。同じ価格で買い指値を置きたいのですが、いわゆる順番待ちになるために執行は最後になります。それよりも、成行きで時間優先原則よりも優位である価格優先原則を採択したほうが賢明(板よりも上で注文を出す。)と投資家は判断するからです。
つまり、買い板の厚みが多い場合には、売り成行き注文が出やすく、売り指値注文も出やすくなります。買方にとって、売り注文が殺到するような錯覚に陥り、買い指値をキャンセルするものが現れたりと結果的に防御壁のようだった厚い買い板が崩される形になります。その攻防が連続しやすいというのも観察されますが、一定時間が経過すると今度は売り板が厚くなり、また逆の現象が起きるといったことが繰り返されるのです。
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