アジアの金融情勢(香港・シンガポールの住み分け)

代表的なアジアの金融センターは香港・シンガポールだと言われていますが、もちろん東京も世界において影響の大きい市場です。最近では、中国本土も大きな影響を及ぼすようになりましたが、まだまだ発展段階でありアジアの金融センターと呼ぶにはふさわしくない状態です。しかしながら、いわゆる群雄割拠の状態であり、今後はどの市場が伸びていくのか判断は難しいものと思われます。

まず、日本と香港・シンガポールの決定的な違いは英語です。英語が不得意だというのはあるかもしれませんが、それは単なる慣れの問題や苦手意識があるだけで、英語力の差はそれほど問題ではありません。むしろ、法律面でも契約交渉でも英語だったらノープロブレムだと言った勢いやアバウトさが必要です。このような前提もあり、当然規制や税金面で他の地域と比較した場合に、外資の参入障壁が東京では高いということが香港・シンガポールに負けてしまうところだと思われます。

香港・シンガポールの住み分けも具体化されつつあります。香港は、株式・債券等の証券市場が中心となりシンガポールは先物やデリバティブに力を入れています。ヘッジファンドもプロダクツを考慮してそれぞれ立地条件に見合った選択をしています。

日本は、これらのアジア金融ハブと遜色なく巨大な市場を持っているのですが、日本の金融機関は国内顧客をターゲットとしているところも多く内向的な性格を持っており、外資にとっては、日本は巨大な市場だとしても日本の金融機関が強固に根付いていることから国内顧客獲得の競争は厳しいものだと認識しています。一方、インド、中国やイスラム金融圏にアクセスしやすい香港・シンガポールはインフラ整備も整っており、外資に見合った法整備や税優遇など歓迎されているイメージもあり、アジアの金融センターとして魅力的に映るというのがアジアの現在の金融情勢ではないでしょうか。

これは余談ですが、日本人はデイトレーダーのレベルがすごいと思うので、このスキルを活かしてグローバルに挑戦して欲しいと思うとともに、活躍できるフィールドがもっとあればよいのにとも思っています。

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