ロバストネス追求のためのルール鏡像化で、堅牢性を維持するために売買ルールを対称にするということについて触れてみました。しかし、買いポジションを持っているのと売りポジションを持っているのとでは心理的にも違いますし、極端な例で買いのみ或いは売りのみのシステムがうまく機能することも実際にあり得ます。また、そのようなシステムで儲けている人がいることも事実だと思います。そこで二つの仮説を立ててみました。
- Aさん
月曜日はいつも上がると感じたので、検証してみた。
結果、月曜は寄り付きで買って大引けで手仕舞えば儲かるということがわかった。
- Bさん
火曜日はいつも反転する。検証してみると、寄付から1%上がったところで売りを入れ、あるいは寄付から1%下がったところで買いを入れると儲かるということがわかった。
AさんとBさんのアイデアは根本的に違います。Aさんは売買方向を確定づけているのに対して、Bさんは方向性を決めていません。Bさんの場合は条件により、買いでも売りでも参入できるのです。それぞれのシステムが、どういうアイデアを元に考えられたものなのかで、買い売りを対称にするべきか、もしくは非対称でも良いのかが違ってくると考えられます。
Aさんの場合は曜日により買いの方向に偏っているというアイデアがベースとなっていますので、この場合は迷わず買いだけシステムで良いと思います。一方、Bさんの場合は、例えば買いが1%、売りが1.2%とした方が、結果が良くなったとしてもそれをそのまま使うのは好ましくないと思うのです。過去において最もうまく機能したパラメーターが将来において最もうまく機能するとは限りません。それよりも買い売り同じ数値を採用して、多少の漏れがあったとしても、長期的に安定してシステムが作動する方がありがたいのです。
私の考えからですが、大半のシステムは売りと買いで数値を変えれば検証結果がよくなりますし、そういう結果が得られるということはすなわち、過去の結果に都合の良いように数値をあてているだけだとも言えます。全ての利益を取ることは無理ですので、自分のアイデアがそのまま素直に反映されるシステムにするべきだということです。
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